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[華南ビジネス] 黄埔税関の企業を単位とする加工貿易監督管理改革の通知について

7月13日付で発布された《企業を単位とする加工貿易監督管理モデル改革試行についての公告》(税関総署公告2017年29号)(以下、29号公告)に基づき、黄埔税関による企業を単位とする加工貿易監督管理モデル改革についての通知が8月22日に発布されました。主な内容は以下の通りです。

1. 加工貿易監督管理モデル改革の試行範囲と期間

黄埔税関は広州の一部と東がん全域を管轄としていますが、試行範囲として、加工貿易の多い地域である下級税関の東がん税関、新塘税関、駐開発区弁事処、駐長安鎮弁事処、駐鳳崗弁事処、駐常平弁事処を含み、これらの範囲で同時に、2017年7月に試行業務を開始したとしています。

企業を単位とする監督管理モデルの業務範囲として、帳簿設置(変更)、輸出入、外注加工、深加工結転(=転廠)、国内販売、余剰材料の結転(=繰越)、申告と(期間終了時の)照合抹消等を含むとしています。

2. 試行企業の資質に対する要求

(1) 試行企業への申請
自社名義で加工貿易業務を展開し、且つ、以下の条件の一つに符合する生産型企業は、税関にて企業を単位とする加工貿易監督管理モデルの試行を申請することが可能です。

  1. 企業の信用等級が一般認証及びそれ以上である。
  2. 企業の信用等級が一般信用企業であり、社内の貨物とデータ管理が明晰で、ロジックが完全であり、材料消耗をトレースでき、税関監督管理要求を満たす。

(2) 試行企業からの撤退
企業に以下の情況がある場合、税関は以降企業を単位とする加工貿易監督管理モデル試行を実施しないとしています。

  1. 企業の信用等級が信用失墜企業となった場合
  2. データシステムが不完全で、貨物とデータが一致せず、材料消耗管理が税関要求を満たせない。
  3. 税関手続きを規範的に行わず、適時に関連の数値、証票、資料を提出できない。
  4. 企業を単位とする加工貿易監督管理モデル試行を実施しないことを自主的に申請したもの。
  5. そのほか、企業を単位とする加工貿易監督管理モデル試行を取消す必要があるもの。

3. 改革試行の具体的な内容

試行企業が実施する改革の主な内容は以下の通りです。

(1) 企業を単位とする手冊管理モデルの構築
これまでの、契約を単位とした手冊を、企業を単位とする手冊に変え、電子帳簿を開設し加工貿易管理を実施する。業種の特徴、生産規模、管理水準等に基づき、企業が自主的に商品の分類を決定し数量を申告し、自主的に材料番号若しくは受注番号等に基づき帳簿を構築する。また、生産周期に応じて自主的に核銷周期(保税材料の出入りを清算する周期、従来は半年または1年)を選択するが最長で1年を超えないものとする。
     
(2) 深加工結転(転廠)手続きの簡素化
試行企業間若しくは、試行企業と黄埔税関区内の非試行企業との間で展開する深加工結転(転廠)業務について、以降は税関への実際出荷・入庫記録の報告は行わず、但し、実態通りの深加工結転入荷・出荷・返品記録を保管し、税関の検査に備えるものとする。試行企業は毎月15日までに、前月の深加工結転出荷・入荷状況についてまとめ、深加工結転輸出入通関単の集中申告を行う。

(3) 外注加工手続きの簡素化
試行企業が外注加工業務を展開する場合、外注加工の関連管理規定に基づき、外注加工を行う3営業日前までに、税関にて外注加工備案手続きを行い、税関は以降、入出庫リストの受取は行わない。企業は実態通りの外注加工出庫・入庫の記録を保管し、税関の検査に備えるものとする。

試行企業が全ての工程を外注加工に出す場合、企業は外注加工の備案手続きを行うと同時に、税関に外注加工貨物の納付税額に相当する保証金を積み立てるか若しくは銀行等の金融機関による保証状を提出する。

(4) 保税材の国内販売時の集中通関申告期限の緩和
試行企業は国内販売時の課税を集中(定期的に一括して)手続きすることができる。
事前に税関への報告は不要である。但し、規定に基づき担保を提供する必要がある場合は依然として現行規定に基づき事前に担保の提供が必要であり、事前担保の提出がなければ国内販売の集中申告資格は取得できない。

試行企業は加工貿易貨物の国内販売後、翌月15日までに税関に集中納税通関申告手続きを行い、且つこれは電子帳簿の核銷周期及び年度を超えて手続きしてはならない。

(5) 企業が実際情況に基づき補足納付申告することを認可
電子帳簿核銷周期の終了時、企業は期間中に発生した問題に対し、自ら適時に税関に報告追納し、適時に改善措置をとることができる。税関は企業からの報告に対し一括処理を行う。

本記事は2017年9月に作成したものです。法規定の変更などにより、現在の状況と異なっている場合がありますのでご留意ください。

※各地の運用状況が異なる場合があります。各所在地にて再度ご確認ください。