シンガポール シンガポール会計・税務・監査の基礎知識
[シンガポール会計・税務] 第4回 財務諸表の提出先は?
会社法の定めで、シンガポールにて設立された会社は、決算日後6カ月以内(シンガポール証券取引所に上場している公開会社については、4カ月以内)に、年次株主総会を開催し、財務諸表、取締役報告書等を提出し、株主総会での承認を受け、総会の開催日後1カ月以内に、それらの書類を年次申告書(AR)に添えて、ACRAへ提出することを要されている。私的非公開会社の場合、全株主の同意があれば、年次株主総会を開催せず、書面だけによる決議が認められている。除外私的非公開会社については、支払い能力を有することを宣言する証明書をACRAへ提出すれば、財務諸表の提出が免除される。
届け出を怠った会社及び役員は、S$10,000以下の罰金又は2年以下の禁錮が科せられる。外国会社のシンガポール支店については、本社の財務諸表に加え、支店の運営に関する財務諸表を本社の年次株主総会後2カ月以内に、ACRAへ届け出することが義務付けられている。怠った会社及びその役員、並びに、その怠りに関与する支店の代理人には、S$1,000以下の罰金と過怠金が科せられる。
また、上記の財務諸表(外国会社の支店の場合は、支店の運営に関する財務諸表)を法人所得申告書(Form C)に添えて内国歳入庁(IRAS)へ賦課年度の所定の期限までに提出することを要せられている。賦課年度(Y/A)とは、暦年べースで、会社が決めた決算日の翌年をさす。例えば、2011年12月31日が決算日である会社は、賦課年度2012年となり、2012年3月31日が決算日である会社は、賦課年度2013年となる。さらに、会社の適用する決算日から3カ月以内に、推定課税所得(ECI)の申告をすることが義務付けられている。