目次
- ■ 対象企業 [1]
- ■ タイムライン [2]
- ■ 企業に求められる対応 [3]
- Peppol対応システムの導入 [4]
- Peppol IDの取得 [5]
- IRASとのシステム連携(GST申告用) [6]
- 取引先への通知と同意取得 [7]
- 業務フローの見直し [8]
- 従業員へのトレーニング [9]
- ■ 会計システムとの連携 [10]
■ 対象企業
- すべてのGST登録企業が対象。GSTの申告に、Invoice NOWを使用。
- ただし、現状、導入が強制されるタイムラインが示されているのは、任意登録の企業のみ。強制登録の要件が、四半期合計の課税売上高1mであることから、まずは、売上規模が相対的に小さい、任意登録の企業での導入を先行させ、導入のプロセスの改善を図っていく意図であると推察されます。
■ タイムライン
義務的な導入は段階的に実施され、以下のビジネスカテゴリから始まります。
- 2025年5月1日より: 希望する事業者は、GST申告にInvoiceNowの使用を開始可能。
- 2025年5月1日より: GST任意登録の新設法人(GST登録申請日の6か月以内に設立された会社)は、課税売上、非課税売上、および、課税仕入に関する請求書データを、GST登録要件の一環としてInvoiceNow経由でIRAS(シンガポール内国歳入庁)に送信する必要があります。
- 2026年4月1日より: GST任意登録のすべての企業は、GST申告の一環として、請求書データをInvoiceNow経由でIRASに送信する必要があります。
- その他のカテゴリ: 上記以外の事業者については、現時点で具体的な導入時期は発表されていませんが、将来的に対象が拡大される見込みです。
- シンガポール政府への商品・サービス提供者: 数年以内に、InvoiceNowを通じた電子インボイス発行が義務化される見込みです。
■ 企業に求められる対応
InvoiceNowを導入・使用する企業は、以下の対応が必要です:
Peppol対応システムの導入
InvoiceNowは国際標準のPeppolネットワークを介して動作するため、企業の会計または販売管理システムがPeppolに対応している必要があります。非対応の場合は、対応システムの導入または既存システムの改修が必要です。
Peppol IDの取得
InvoiceNowを利用するには、Peppolネットワーク上で企業を識別する「Peppol ID」の取得が必要です。取得はPeppol認定サービスプロバイダーを通じて行います。
IRASとのシステム連携(GST申告用)
InvoiceNowを通じてGST申告を行うには、IRASとのAPI連携が必要です。設定と構成は専門業者に依頼することを推奨します。
取引先への通知と同意取得
電子インボイスの送受信には取引先もInvoiceNowを使用可能である必要があるため、事前に通知し、同意を得る必要があります。
業務フローの見直し
インボイスの発行・受領・会計処理のプロセスに変更が生じる可能性があるため、業務フローの見直しと更新が必要です。
従業員へのトレーニング
InvoiceNowの操作方法や業務フローの変更点について、該当従業員に教育を行う必要があります。
■ 会計システムとの連携
InvoiceNowは、Peppol国際ネットワークを通じて標準化された形式の電子インボイスを送受信できるため、Peppol対応の会計システムと連携可能です。
会計システムとの連携により、以下の利点が得られます:
- 請求書データの自動連携: 発行済みインボイスは自動で会計システムに連携され、受領インボイスも自動的に取り込まれます。
- 手入力の削減: 転記作業が不要となり、入力ミスも減少します。
- 業務効率の向上: インボイス発行から会計処理までの時間が短縮され、業務が効率化されます。
- 月次決算の早期化: 会計データがほぼリアルタイムで更新されるため、決算作業の迅速化が可能です。
会計システムとの連携方法は、利用している会計ソフトおよびPeppolサービスプロバイダーにより異なります。一般的にはAPI連携またはCSVなどのデータ形式が使用されます。
IMDA(シンガポール情報通信メディア開発庁)の公開情報を参照すると、Peppol対応会計システムとサービスプロバイダーのリストが確認できます。
- InvoiceNow対応ソリューション一覧(IMDA公式) [11]
- IRAS向け設定ガイドPDF [12]