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[シンガポール会計・税務] 第4回 財務諸表の提出要件について
会社法第175条および第197条により、シンガポールで設立された会社には、以下の義務があります。
1. 年次株主総会(AGM: Annual General Meeting)の開催
- 非上場会社:決算日後6ヶ月以内
- 上場会社:決算日後4ヶ月以内
- 財務諸表、取締役報告書等の承認
2. 年次申告書(AR: Annual Return)の提出
- 会社法第197条により、AGM開催後14日以内にACRA(会計・企業監督局)へ提出
なお、私的会社(Private Company)の場合、会社法第175A条により、全株主の書面同意でAGMの開催を省略できます。
小規模免除非公開会社(Small Exempt Private Company)で、支払能力証明書(Solvency Statement)を提出する場合、会社法第211条により財務諸表の提出が免除されます。
これらの義務に違反した場合
- 会社法第204条により、会社および役員に対して最大S$50,000の罰金が科される可能性があります。
外国会社のシンガポール支店については、
- 会社法第373条により、本店の財務諸表および支店の財務諸表を、本店のAGM後2ヶ月以内にACRAへ提出
- 違反した場合、会社、役員、支店代理人に対して罰則が適用
税務申告については、
1. 推定課税所得(ECI: Estimated Chargeable Income)の申告
- 所得税法(Income Tax Act, Cap. 134)第63条により、決算日から3ヶ月以内にIRAS(内国歳入庁)へ提出
2. 法人所得税申告書(Form C-S/C)の提出
- 所得税法第62条(Section 62)により、賦課年度の申告期限までに財務諸表を添付してIRASへ提出
- 賦課年度(Y/A)は決算日の翌年
例:2024年12月期決算 → Y/A 2025
2025年3月期決算 → Y/A 2026
なお、この情報は2024年時点のものです。要件は随時更新される可能性があります。
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