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シンガポールの暗号資産の税務~IRASのデジタルトークンガイド

IRAS(シンガポールの税務当局)のe-Tax Guideでは、デジタルトークンの所得税の取扱いについて説明します。主な内容は以下の通りです。

1. デジタルトークンの3つの分類

2. 主な課税方針

3. ICO(新規仮想通貨発行)(Intial Coin Offering)の課税

4. その他の重要事項

(1) マイニング収入の課税

①法人の場合

②個人の場合

(2) エアドロップやハードフォークの取り扱い

エアドロップ

エアドロップは、暗号資産プロジェクトが、無料で、トークンやNFTを配布するマーケティング手法。

主な目的: コミュニティ拡大、新規ユーザーの獲得、プロジェクトの認知度向上、トークン保有者への報酬提供

受取条件の例: 特定のトークンの保有、ウォレットでの取引履歴、SNSでのプロジェクト支援、コミュニティ参加

ハードフォーク

ハードフォークとは、ブロックチェーンのプロトコル変更により、チェーンが2つに分岐する現象。

主な特徴: 既存チェーンと新チェーンが並存、分岐前の取引履歴は両方に保持、新旧のトークンが別々に存在、コミュニティの合意が必要

代表例: Bitcoin → Bitcoin Cash (2017)、Ethereum → Ethereum Classic (2016)

(3) 記録保持義務

以下の情報を記録・保管する必要がある:

(4) 国際取引の源泉地決定

以下の要因を総合的に考慮:

また、セキュリティトークンの場合:

全体的に見て、シンガポールの税制では、税負担を最小限に抑えることで、仮想通貨の取引を促進しています。

キャピタルゲイン課税がないため、仮想通貨の種類によっては、売却等で利益を得ても、税金はかかりません。ただし、仮想通貨取引が事業の一部である場合、その利益には法人税(17%)が課されます。

また、商品やサービスの支払に仮想通貨を使用する場合は、物品サービス税(GST)が免除されますが、仮想通貨の売買や換金に関連する手数料には、GSTが課されます。

(注)上記取扱いは、出稿当時のもので、最新実務と異なる場合がありますので、ご注意ください。

錦戸 傑宜(Nishikido Takanobu) / AVIC NAC PTE LTD

シンガポールにて、シンガポールとマレーシアの日系企業のASEAN進出および事業展開支援に特化したサービスを提供しています。日本の公認会計士として、監査経験、12年以上のスタートアップのCFO経験を持ち、EC、Fintech、IoT/AI、エネルギー、創薬など、幅広い業界での実務経験を有しています。日本での実務経験とシンガポールでの実務知識を組み合わせ、現地法人設立から、会計・税務対応、内部統制構築、資金調達まで、包括的なビジネスサポートを行っています。特に、日本とシンガポールの商習慣や制度の違いを熟知し、両国の架け橋となることで、クライアントの円滑な海外展開を支援しています。