シンガポール 会計
シンガポールの会計制度(2) 決算書の体系
決算書の体系
ACRA(Q4)に正式に登録する監査済決算書(Audited Financial Statements)(法定決算書ともいう)に含まれるものは以下のとおりです。
- 取締役宣言書(Statement by Directors)(注1)
- 監査報告書(Independent Auditors’ Report)(注2)
- 財政状態計算書(Statement of Financial Position)
- 包括利益計算書(Statement of Comprehensive Income)
- 持分変動計算書(Statements of Changes in Equity)
- キャッシュ・フロー計算書(Statement of Cash Flows)
- 注記事項(Notes to the Financial Statements)
(注1)取締役宣言書
配当、取締役の保有する株式、ストック・オプションなどが記載され、会社の財務諸表が真実かつ公平に作成されていることについて、取締役が宣言する書類です。取締役宣言書には取締役2名(取締役が1名の場合は1名)のサインが必要です。
(注2)監査報告書
包括利益計算書、財政状態計算書、注記事項が真実かつ適正に作成されているかどうかについて、会計監査人が意見を表明したものです。取締役が取締役宣言書にサインが完了した後に、会計監査人が監査報告書にサインすることになります。
日本の会社法計算書類等と比較すると、キャッシュ・フロー計算書や注記事項の項目が(株式譲渡制限会社においても)省略されることがない点が大きな違いです。
(注)上記取扱いは、出稿当時のもので、最新実務と異なる場合がありますので、ご注意ください。
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錦戸 傑宜(Nishikido Takanobu) / AVIC NAC PTE LTD
シンガポールにて、シンガポールとマレーシアの日系企業のASEAN進出および事業展開支援に特化したサービスを提供しています。日本の公認会計士として、監査経験、12年以上のスタートアップのCFO経験を持ち、EC、Fintech、IoT/AI、エネルギー、創薬など、幅広い業界での実務経験を有しています。日本での実務経験とシンガポールでの実務知識を組み合わせ、現地法人設立から、会計・税務対応、内部統制構築、資金調達まで、包括的なビジネスサポートを行っています。特に、日本とシンガポールの商習慣や制度の違いを熟知し、両国の架け橋となることで、クライアントの円滑な海外展開を支援しています。