香港
香港・2013-14年度予算案
2013-14年度予算案で財政司長は、下段の措置を提案した。
目次
2012-13年度の利得税(法人及び個人事業)、給与所得税、及びパーソナル・アセスメントの税額を軽減
財政司長は、2012-13年度の利得税(法人及び個人事業)、給与所得税、及びパーソナル・アセスメントの税額に対し、当該期間に限定して、10,000ドルを上限とする75%の減税措置を提案した。当該減税措置は、2012-13年度の確定税額に反映される予定。
当該減税措置は、資産所得税には適用されない。賃貸収入がある個人は、パーソナル・アセスメントを適用できる場合、パーソナル・アセスメントの下で当該減税措置を享受することができる。利益のある事業者は、パーソナル・アセスメントを選択するかどうかにかかわらず、減税の恩恵を受けることができる。しかし、享受できる減税額は、パーソナル・アセスメントの下では異なる場合がある。正確な減税額は、ケースごとに判断される。事業収入や賃料収入のある個人は、2012-13年度の税務申告においてパーソナル・アセスメントの選択することができる。税務当局は、パーソナル・アセスメントの選択が納税額を減額できるかどうかをケース毎に確認し、最も有利な方法で納税義務者を査定する。
子供扶養控除の増額及び自己学習費用の税額控除上限の増額
香港市民の子供養育費負担の軽減及び生涯教育の奨励のために、財政司長は下記の通り提案した。
(1)子供扶養控除額並びに子供誕生控除額を、一人当たり63,000ドルから70,000ドルに増額する。当該増額の結果、2013-14年度に誕生した子供に対する控除総額は140,000ドルとなる。
(2)自己学習費用の税額控除上限額を、年間60,000ドルから80,000ドルに増額する。
当該二項目の租税措置は2013-14年度の税額査定から有効となる予定。
キャプティブ保険会社に対する優遇税制の提供
財政司長はキャプティブ保険会社のオフショア保険業に対する利得税(法人及び個人事業)を減額することを提案した。キャプティブ保険会社は、現在再保険会社に適用されている優遇税制と同様の措置を享受することとなる。当該措置は香港税法の改訂によって有効となる。
プライベート・エクイティファンドに対する法人利得税免除
財政司長はオフショアファンドに対する利得税(法人及び個人事業)免除の範囲を拡大し、香港域外で設立または登記され、かつ、香港の資産を所有せず、香港で事業を行っていない私的会社における取引も含めることを提案した。当該措置はプライベート・エクイティファンドがオフショアファンドと同様の課税免除を享受することを許容することとなる。行政機関が関連法規の改訂及び詳細な提案についての諮問を行っていく。
2013-14年度の商業登記料を免除
財政司長は、2013-14年度の商業登記料を免除するよう提案した。
2012-13年度の税額控除の実施詳細
2012-13年度の利得税(法人及び個人事業)、給与所得税、並びにパーソナル・アセスメントの税額を、ケース毎に10,000ドルを上限として75%減税する。当該措置は香港税法の改訂により有効となる。立法議会の通過後、税額査定時に税務当局が税額控除を適用する。
利得税(法人及び個人事業)については、当該上限額は事業毎に適用される。給与所得税について、当該上限額は個々の納税者に適用される。しかしながら、共同で査定した夫婦には、当該上限額はそれぞれの夫婦に適用される。パーソナル・アセスメントでは、独身の納税者は、個々に当該上限額を享受できる夫婦である場合、パーソナル・アセスメントの選択を一緒に行う必要があり、それゆえ、上限は夫婦毎に適用される。
給与所得税と法人利得税を別々に課税している納税者は各税金に対し、当該税額控除を享受することができる。しかし、パーソナル・アセスメントを選択する場合は、給与所得税、利得税(法人及び個人事業)と資産所得税の課税所得は集計されて、納税額が計算される。従って、当該税額控除はパーソナル・アセスメントでの納税額に基づく必要がある。パーソナル・アセスメントの適用が可能である場合、納税者は、個人所得申告書(BIR60)のパート6を記入する必要がある。税務当局はそれぞれのケースでの納税額に対する控除額を確認し、最も有利な方法で、それぞれの納税者を査定する。
給与所得のみで事業収益、賃貸収入のない個人が、パーソナル・アセスメントを選択することは必須ではない。
当該減税措置は、2012-13年度の納税額を減税することとなる。納税者は、来る4月と5月にそれぞれ発行される2012-13年度の法人税申告書と個人所得税申告書を、通常事通り申告する必要がある。税務当局は、関連法規の制定時に、最終査定税額に対し当該控除を反映する。法律の制定以前に発行された2012-13年度の最終査定税額については、税務当局は、制定後に再査定を行う。過払い税金は2013年7月下旬以降から払い戻される見込みである。納税者は、税務当局に申請や照会をする必要はない。
当該減税措置は2012-13年度の最終査定税額のみに適用され、同年度の予定納税率に適用されない。したがって、納税者は、提案された控除があるかにかかわらず、2012-13年度の予定納税を期限どおり支払う必要がある。既に支払われている予定納税分は、2012-13年度の確定税額と2013-14年度の予定納税額に適用される。もし過払い税金があれば、返金される。
子供扶養控除の増額及び自己学習費用の税額控除上限の増額の実施詳細
関連法規の制定後、税務当局は自動的に、新しい子供扶養控除額を2013-14年度の給与所得税予定納税額の計算に適用する。子供扶養控除の適用権利を持つ納税者は、2012-13年度の個人所得税申告書を申告することのみが必要となり、増額された子供扶養控除に対して別途申請する必要はない。申告後に誕生した子供に対しては、納税者は、税額査定通知書の受領後に予定納税の延期を申請することが可能。