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[M&A] ジェネリック世界大手のアクタビス、中国撤退
後発医薬品(ジェネリック医薬品)世界大手のアクタビスはこのほど、中国市場からの撤退を明らかにした。厳しい事業環境を理由に挙げている。1月30日付南方都市報が伝えた。
医薬品業界関係者はアクタビスの撤退理由として、高品質のジェネリック医薬品が市場にあふれ、これまで優位だったアクタビスが入札と販売の両面で打撃を受けていると分析。また同社のポール・ビサロ最高経営責任者(CEO)は米で開催された会議の席上、「中国の経営環境は厳しく、リスクが大きすぎる」と話した。
アクタビスの中国生産、研究開発(R&D)拠点は、2005年に既存の医薬品メーカーを買収し設立した阿特維斯(仏山)製薬(広東省仏山市)。アクタビス中国区の高仁CEOは昨年、向こう3年で毎年2種類の新薬を販売し、3年以降は5~10種に増やす計画を発表していたが、ビサロCEOはこの計画を中止し、既に1事業を売却したほか、別の事業の売却に向けて協議を進めていることを明らかにした。
アクタビスは世界3大大衆薬生産グループのひとつ。アイルランドにグローバル本社を、米に管理本社をそれぞれ置き、合併・買収(M&A)を通じ各国で事業を拡大している。12年の世界売上高は59億米ドル(約6,000億円)で純利益は9,700万米ドルだった。このうち中国市場の純利益は約400万~500万ユーロ(約5億5,000万~6億8,000万円)で、ビサロCEOは中国事業から撤退しても影響は小さいとした。(NNA.ASIA)