インドネシア
18国内・外国企業がインドネシア自動車製造業に参入
2011年1月12日付ジャカルタポスト紙によると、インドネシアの自動車製造業への投資は拡大傾向にあり、インドネシア投資調整庁の発表では、少なくとも18の国内及び外国企業が自動車・自動車部品産業への新規投資を行うとして許可の申請を行ったとしている。これらの企業は、主に西ジャワ州のブカシ・カラワン地区やバンテン州のタングラン地区、東ジャワ州のスラバヤ及びリアウ州のドゥマイ地区への工場設立を予定している。
18の投資企業の国別内訳は日本、アメリカ、タイ、中国及び韓国等で、投資総額は957百万USドル。そのうち13の投資申請に対して既に投資許可が出ており、残りについても順次許可が下りる予定。
このうち、アメリカの外国企業は西ジャワ州のブカシ地区に1.26兆ルピア(140百万USドル)を投資し、年間5万台を生産する自動車組立工場を建設予定で、この工場設立は少なくとも700人の雇用を生み出すとしている。日本企業も既に西ジャワ州のカラワン地区にある自動車エンジン製造工場の拡張のため6.5兆ルピア(719百万USドル)を新規に投資する予定。インドネシア投資調整庁の試算によると、これら18の新規投資はおよそ7000人の雇用を生み出すとしている。
2010年度には第3四半期までに92の自動車関連産業が投資許可を受けており、投資総額は481.41百万USドルであるとしている。そのうち448.64百万USドルは外国投資によるものである。
また、2011年2月24日付中日新聞によると、トヨタ自動車グループのダイハツ工業 はインドネシアに新工場を建設し、2012年末に稼働させると発表した。インドネシアでの自動車市場の急成長を見込んで、トヨタへの相手先ブランドによる生産(OEM )も検討しており、トヨタはグループを挙げてアジアでの基盤強化を図る。
ダイハツは既にある首都ジャカルタの工場で5月までに年間生産能力を5万台に引き上げ、33万台に増強する計画だが、需要増大に対応するため新工場の建設が必要と判断した。ジャカルタから東へ約50キロにある西ジャワ州カラワンの工業団地に約80万平方メートルの土地を取得。年間生産能力10万台のラインを設置する。投資額は約200億円。
新興国市場をめぐっては、トヨタは13年、新型の低価格小型車をアジアなどに投入する方針。これに加え、小型車を安価に生産するダイハツの技術を生かし、ダイハツからのOEM供給も検討している。
インドネシア市場は東南アジア諸国連合(ASEAN)第2の規模。同国では、トヨタとダイハツのシェア(市場占有率)を合わせると50%以上を占めている