インドネシア
インドネシア・投資調整庁(BKPM)規則改定による新指針
2020年3月30日付2020年投資調整庁規則1号が施行され、新たな方針が示されています。本規則の内容は、これまでの運用実務面で適用されてきた部分を明文化したものがほとんどとなっていますが、以下では、よくご質問いただく点を中心に、概要をまとめます。
外資企業(PMA)の最低投資金額:100億ルピア
インドネシアの会社登記においては、事業目的を事業目的番号(KBLI)と共に登記する必要があります。新規則では、新たに下記が明文化されています。
- KBLIごとに100憶ルピアの投資が必要
a大規模商業(卸売り・ディトリビューター)については、上2桁ごとに100億ルピアの投資が必要
b食品・飲食(レストランなど)については、各県・各市ごとに100億ルピアの投資が必要
c建設サービス業は1プロジェクトごとに100憶ルピアが必要 - 投資金額100億ルピアの内、25億ルピアは実際の払い込み資本としての投資が必要となります。
- 会社法上、会社の株主は最低2名(社)が必要となるが、株主は最低でも1000万ルピア以上の保有が必要となります。
NIB(会社登録番号)の取得義務と事後監査による取消
これまでのBKPMの方針としては、「登記に変更がない限り取得は任意」という方針を取っていましたが、本新規則ではTDP API NIKなどの旧許認可が有効であったとしても、旧許認可を統合したNIBの取得を義務付けています。NIBは投資調整庁管轄のオンラインシステムOSSへのインプット申請と発行となります。但し同じくOSSから出力されるIU(事業許可)などについては、従前の許認可を保有し有効である場合には従前の許認可も有効としています。
また、本新規則ではNIBは事後の監査による取消が明文化されました。法令違反や登記事業外活動などを理由に取り消されます。取消プロセスは、登録電子メールへ警告が行われ、改善が無い場合には、3日の期間をおいて2度目の警告、3度目の警告が行われ、それでもレスポンスを行わない場合や改善が無い場合には、許認可の凍結措置が取られる。
主要事業と付随事業
主要事業と共に補助的におこなう付随事業については、事業目的になく、主要事業を補助する目的で、所得を得る目的ではなく、法令に適合する範囲内で会社としての事業を行うことが出来る。一方で補助事業においても事業許可などを取得義務がある。