台湾 M&A
[M&A] TSMC、LED子会社を晶電に売却
ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は9日、傘下のLED照明メーカー、台積固態照明(TSMCSSL)をLEDエピタキシャルウエハー・チップ世界大手の晶元光電(エピスター)に売却すると発表した。TSMCはLED事業から撤退する。
晶電は台積固態照明の株式94%を8億2,500万台湾元(約30億2,000万円)で買収する。手続きは早ければ3月にも完了する見通し。TSMCが子会社を売却するのは初めてで、売却による同社の損失は7億4,000万元に上るとみられる。
聯合報などによると台積固態照明は2011年の創業以来、価格競争の激化などが響き、赤字額は累計で50億元以上に上っていた。約300人の従業員のうち200人は晶電に移籍し、100人はTSMCに移る予定。晶電は、向こう半年以内の人員整理は行わない方針を明らかにしている。
TSMCの孫又文スポークスマンは、「結果を出せなかったためLED事業から撤退する」とコメントした。市場では、TSMCがさらに事業計画の見直しを進め、太陽光発電事業からも撤退するとの観測が浮上しているが、孫氏は「より一層、努力する」と述べるにとどめた。
晶電は、照明やテレビ向けなどLED需要の急成長をにらみ、生産能力と技術者、技術の補強に注力している。昨年は同業台湾2位のサン円光電(FOREPI、サン=玉へんに粲)を買収した。同社の李秉傑董事長は、今年の世界のLED照明需要量が25億個以上に急増すると予測している。(NNA.ASIA)