香港
[NNA Q&A] グループ統括機能の進出形態
相談者:精密機器(東京)
当社グループでは、すでに香港に多くの現地法人を設立し、また華南地区には形態上委託としている来料加工廠(一部独資もあり)が多く点在しております。
今回は本社機能のごく一部を香港で行うことを検討しています。まだニーズもはっきりしておりませんので、検討段階ではありますが、候補としては、資材調達部門、経理会計部門、物流管理部門、知的財産(特許)部門、環境管理部門、経営企画部門などですが、人数的には非常に小さな組織になると思われます。
将来的には香港人も採用し、グループ各社へのこのような本社間接部門の有料シェアードサービスなども行うことも視野に入れております。一部営業活動を伴いますので、従業員事務所形態では進められませんが、営業そのものを主目的としているのではなく、あくまでもグループ統括機能という意味合いが強く、タックスヘイブン税制のメリットを得られるような形態とも思えないので、もしこの話を実行することになったら、独立法人ではなく、支店形態にしたらどうかと思っております。それについて、プロフェッショナルなご意見いただけると幸いです。
また、さらにその機能の中で、グループ各社に対するネッティングやファクタリングなどのキャッシュマネジメントシステム(CMS)の機能も付与しようとした場合は、一般的には独立法人にしたほうがメリットがあるのかどうか、そのへんについてもアドバイスいただけると幸いです。
香港への進出形態として一番多いのは、現地法人です。
これは、低税率の活用に加えて、支店形態より法人設立自体が容易なことやその後の維持が簡便なためです。また、「グループ各社へのこのような本社間接部門の有料シェアードサービスなども行う 」ことが本格化されるならば、意思決定の迅速化や責任の明確化の点からも現地法人形態が望まれると考えます。
支店形態は、取引上日本本社の信用が必要であったり、日本本社が権限を確保しておく場合、本支店間での資金の動きが相当にある場合に利用されます。
タグ: 設立