一般ニュース
中国資本による日本企業への投資が続く(レナウン、東山フィルム)
1.中国の山東如意科技がレナウンの筆頭株主に
2010年5月24日: レナウン(東証1部:3606) は、中国の繊維大手である山東如意科技集団(上海証:002193)を割当先に1株120円で第三者割当増資を実施すると発表した。調達資金は約40億円。これにより、山東如意科技はレナウン株41.18%を保有する筆頭株主になる見通し。調達資金約40億円については、レナウンが展開するブランドの日本や中国での出店など設備投資に約半分を充当する。その他、宣伝や販売促進、IT関連の設備投資に充てる方針。
「山東如意」は、中国において高品質かつ廉価なアパレル原料及び製品の供給力、販売ネットワークを保持している中国の紡績企業グループ大手の一つ。複数の優良ブランドを傘下に持ち、取引先にはHUGO BOSSなども名を連ねている有力企業。一方、経営再建中のレナウンは近年、経営陣の刷新や不採算ブランドの整理などの改革策による経営再建を図っていたが回復が見込めず、4期連続の最終赤字計上。
このM&Aを通じて、「山東如意」はレナウンのブランドD’Urban、HenryCotton’s、Simple Lifeなど30数件に、そして2千以上の販売拠点・出店を含めて日本への市場展開、“川下”の設計技術などを獲得するとも言える。その代わりに、レナウンは「山東如意」の資金力を借りて事業再建、しかも後者の販売ネットワークで中国市場展開をスピードアップできる。
2.中国のシティック系ファンドが東山フィルム(4244)にTOB
2010年5月14日に、東山フィルムは中国のCITIC系ファンドの株式公開買い付け(TOB)に賛同するとの発表。公開買い付け者であるエイチエフホールディングス、中国中信集団(CITICグループ)の一員として設立されたシティック・キャピタル・ホールディングスのグループ運用会社は大株主の深津一族が保有する2,062千株(所有割合55.27%)を取得する目的で、上場廃止を企図するものではない。買付価格は1株650円で、13日のジャスダック市場における当社株式の終値800円に対して18.75%のディスカウントを行った金額。
東山フィルムでは、CITICグループの傘下に入ることで、中国などアジア市場への進出を図る考えである。TOB期間は5月19日から6月16日まで。