香港

168億香港ドルの経済救済措置を発表

財政長官の曽俊華(ジョン・ツァン)は、緊急経済対策とし、昨年度の876億香港ドル(国内総生産の5.2%)の政府負担から初となる、政府による168億香港ドル負担の新たな救済措置を発表しました。

曽財務長官は、今回の措置を2009/10年度予算案の強化とし、“簡単、直接的”で“趣旨に沿い、タイムリーで効果的”な救済措置であると述べました。

また、曽財務長官は「公開された第一四半期の経済指標から現在の経済は、厳格な挑戦を迫られていることが分かる。行政長官が5月14日に明言した通り、1ヶ月以内に追加救済措置を導入する」と発表しました。(原文

経済の回復

  • 一般社会への便益となる主な救済措置には、2008-09年度の給与税と個人所得税還付を50%から100%へ、またこの上限を6,000香港ドルから8,000香港ドルへと繰り上げされる。
  • 2009-10年度の地税は、1世帯につき1,500香港ドルを上限とし免除される。これにより、90%の住宅地及び60%の非住宅地が援助を受けることとなる。
  • 700,000の政府物件の賃貸料2か月分、社会福祉や障害手当金を受けている者に対しては、更に1ヶ月の賃貸料が政府により負担される。
  • 社会福祉を受けている家族からの学生を対象とし、新学期に1,000香港ドルの補助金が支払われる。
  • 中小企業への経済的援助としては、銀行からの借入金増加を強化する。また商業登記証更新費用、および飲食店ライセンス費用が免除される。
  • 曽財務長官は「樓宇更新大行動」などを通じ、より多くの臨時雇用先を確保すると発表。

早期の運用

  • 曽財務長官は、立法審議会への救済策についての報告をできるだけ早急に行うこと、また迅速に法案の修正や資金調達の承認を得る等を求めており、「立法審議会の今夏休会前に、これら救済措置実施に必要とされる許可の確保を望んでいる」と述べた。
  • また評議会でも、これら追加救済措置の適時性や実用性を認識し、企業の雇用保護や推進に役立つと評価している。
  • 梁振英行政会議委員(無任所)は、今回の救済措置に盛り込まれている、生計への圧力軽減を目的とした収入の保護策は、世界的景気後退による経済的困難に打ち勝つ手助けとなると述べた。