香港
香港HSBCが新型コロナウイルスの大流行による打撃に見舞われた香港企業に39億米ドルの追加支援策を準備
タクシー及び公共のミニバスオペレーターは、不動産担保商業ローンの借手と同様に、利息のみの支払いができるようになる。
トレードファイナンスの顧客は、当座貸越契約において、最大130万米ドルまで利用することができる。
香港HSBCは、2月9日の日曜日に、香港経済への新型コロナウイルスの大流行の影響によりプレッシャーを受けている香港企業へ、300億香港ドル(39億米ドル)以上の追加の流動性支援策を提供することに言及した。
当銀行は、香港において通貨を発行することを認可されている3つの貸手のうちの1つであり、6月30日までに申請すれば、タクシーと公共のミニバスオペレーターが6ヶ月間利息のみを返済することを可能に、並びに不動産担保商業ローンの借手が1年間を上限として、同様の返済を行えるようにすると述べた。香港HSBCは昨年の9月以来、香港での数ヶ月間にわたる街頭抗議に対し、設立された2つの政府融資計画の下、中小企業の顧客に同様の救済を実施してきた。
トレードファイナンスの顧客は、給与支払い及びその他運用上のニーズに対応することができるよう、ローン契約の一部を6ヶ月間、最大1,000万香港ドル相当の当座貸越契約に変更することができる。当銀行はまた、健全な支払能力を示すトレードファイナンスの記録を持つ顧客に対し、追加料金や罰則規定を課さずに、2月10日から4月末までに満期を迎える輸入貿易ローンの返済期限を延長する。
香港HSBCによる新しい措置は、中国最大の貸手である中国工商銀行(ICBC)の香港支社であるICBCアジアに続き、その翌日、事業主に支援措置を提供することに言及した7番目の地方銀行となった。
「このような前例のない状況の最中では、私どものコミュニティへのあらゆる支援が必要です」、と香港HSBCの香港最高経営責任者であるダイアナ・シーザーは述べ、「私どもはお客様をサポートすることに尽力しており、短期的な救済措置を提供できるよう、より多くのイニシアチブを取っていきます」と加えた。
湖北省の武漢市が発生源と考えられている新型コロナウイルスの大流行は、世界中で37,000人以上に感染し、少なくとも813人が亡くなり、2003年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の結果としての死亡者数をしのぐ勢いである(2月9日現在)。
この最近の伝染病の流行は、昨年中の数ヶ月にわたる反政府抗議行動に苦しめられたがため、この10年間で初めて縮小する結果となった香港経済に対し、既に重くのしかかっている。財務司司長のポール・チャン(Paul CHAN/陳茂波)氏は先週、小売業者、レストラン、ホテル並びにその他の企業の営業収益に打撃が及ぶ中、2020年の経済も縮小する可能性があると警告した。
香港の貸手である金融機関は、1998年のアジア通貨金融危機及びSARSの大流行の間、香港内の中小企業(SME)へ同様の支援措置を講じた。
香港HSBCはまた、政府のSME融資保証計画に基づく新規申請者に対する手数料の免除措置及び保証料の補助金制度を12月末まで延長すると述べた。当銀行はさらに、個人に利益をもたらすイニシアチブを「積極的に評価」しており、間もなくさらなる発表を行うことに言及した。
ICBCアジアは、2月8日の土曜日に、住宅ローンの顧客が1年間財務上良好な状態であった場合、8月10日までに最大6ヶ月間の利息のみの返済プランを申請できると述べた。 財務上深刻な問題を抱えている借手は、返済遅延による罰則規定の免除を申請することも可能である。
医療関係スタッフや感染もしくは検疫に直面している人々を支援するために、ICBCアジアは、クレジットカードの支払延滞に対する罰金を免除または削減し、年会費を免除することに言及した。
当銀行はまた、3月31日まで、10,000香港ドル以上のファンド商品を購入する顧客のファンド申込料を1%に引下げ、2月28日まで、特定の新規口座開設者に対して2.08%の普通利息率をオファーすると述べた。
中国銀行(香港)、東亜銀行、中信銀行(国際)、HSBCの子会社である恒生銀行、並びにスタンダードチャータード銀行はすべて、この2月13日の木曜日から、消費者及び中小企業の経営者を支援するための措置を施すと述べた。
香港金融管理局(HKMA)は、他の銀行にも同様のアクションを起こすよう奨励している。
中国本土の銀行は、困難に直面している企業への信用供与拡大や金利引下げなど、心を砕いている企業並びに個人顧客を支援するための特別な措置を講じるよう、金融監督機関によって促されている。
(原文、2020年2月9日更新)