香港 フィンテック

香港財務司司長、中国のフィンテックジャガンナート支援で香港の重要性について言及

香港は中国のフィンテックジャガンナートを支援する上で重要な役割を担うと財務司司長のポール・チャン(Paul CHAN/陳茂波)氏が言及

  • 香港は、中国への玄関口であり、かつ向上しつつある地域的なフィンテックの能力を伴い、多方面において貢献可能で、結果に報いる準備ができているとポール・チャンは述べる。
  • サウス・チャイナ・モーニング・ポスト・リサーチによって作成された「2020年度中国フィンテックレポート」は、投資に関する識見、並びに中国本土で対象となるセクターが如何に急速に発展しているかの詳細な分析を提供している。

財務司司長のポール・チャン氏の見解によると、アリババ・グループ・ホールディング(阿里巴巴集団控股)、アント・グループ(螞蟻集団)、テンセント・ホールディングス(騰訊控股)他を含む中国のフィンテックの巨人は、国内外で収益を拡大する余地を十分に備えるため、香港は中国の金融技術の開発において、重要不可欠な役割を果たしている。

「非常に短期間で、中国は世界最大のフィンテック市場の1つとなった」とチャン氏は声明の中で、サウス・チャイナ・モーニング・ポストの「2020年度中国フィンテックレポート」の発表を記念して述べた。「中国本土が繁栄するフィンテックセクターを拡大し続ける中、世界有数の金融センターの1つである香港は、中国本土へのユニークなビジネスの玄関口であり、向上しつつある地域的なフィンテックの能力を保有する。」

サウス・チャイナ・モーニング・ポスト・リサーチが作成し、当ポストのレポートに基づいて作成された当該レポートは、投資に関する識見、並びにデジタル決済、バーチャルバンク(仮想銀行)、オンラインウェルスマネジメント及び保険プラットフォームが、中国で如何に急速に発展しており、フィンテックの採用において世界をリードしている実情の詳細分析を提供している。

主要なセクタープレーヤーに係る独占的なケーススタディとともに、当該レポートは、香港及び上海でのアント・グループによる今後のデュアルIPOや、今週のニューヨークでのルファックス(陸金所)の上場など、これらハイテク巨人の資金調達活動の概要もまた提供している。

中国のデジタル巨人アント・グループは、今週、世界最大の新規株式公開で約345億米ドルを調達し、世界最大の銀行であるJPモルガン・チェースを超える評価をされる予定である。

国内において、フィンテックを採用する最大の原動力は、中国でのスマートフォンの普及であり、そこでは、世界最大の通信市場に存在する16億台の携帯電話のおおよそ2分の1が、データ及びインターネットサービスが可能なデバイスである、と当該レポートにて記載されている。その他の主な要因として、クレジット、ウェルスマネジメント及び保険商品へのアクセスを拡大するための、着実な増加傾向にある収入並びに重要な機会が含まれる。

中国は、ますます発展するフィンテック技能の輸出を目論んでいるため、国際的に拡大成長する余地もある。中国のフィンテックにとって、最も注目せざるを得ない輸出市場は発展途上国であり、そこではより広範囲な金融包摂の必要性が最も差し迫っている、と当該レポートは付け加えている。

世界最大のフィンテック市場として、中国の消費者全体のほぼ90%が、日常生活に関連するほぼすべての経費を、フィンテックを使用して支払っている一方で、ほとんどの中小企業は、費用対効果の高い方法で事業を運営するためにフィンテックを使用している。

当該レポートはまた、モバイル決済の世界最大の市場としての中国本土の台頭にも注目している。2019年の総支払額は、米国におけるわずか1,000億米ドルに対し、200兆元(29.8兆米ドル)をはるかに超えた。

今年3月の時点で、中国では約7億7600万人がモバイル決済サービスを使用して、商品やサービスの購入及び現金のデジタル送信を行っており、その大部分は、アント・グループのアリペイ(支付宝)もしくはテンセントのWeChatペイ(微信支付)の決済プラットフォームを使用している。アントは、我が新聞社を保有するであるアリババの関連会社である。

中国はまた、オンライン証券取引の最大の市場となっており、世界の取引量の約半分を占めていると当該レポートで述べられている。そのオンラインウェルスマネジメント及び保険市場は驚異的なスピードで発展しており、国内デジタル通貨の開発においては、如何なる主要国よりもずっと進んでいる。

当該レポートは、これらの新しいウェルスマネジメントプラットフォームにより、以前は富裕層しか利用できなかった資産に対し、何百万もの一般の人々が投資できるようになったと論じている。

ユーザーは、通常の健康保険の僅かなコストで相互扶助プランにアクセス可能で、このプラットフォームはオペレーターにとって有益ではないが、他のサービスの取引への貴重な推進力になる可能性がある、と当該レポートで述べられている。

原文、2020年10月28日更新)