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香港・2018年税務(改正)条例草案が官報に掲載

2018年税務(改正)条例草案が、本日(2018年2月2日)官報へ掲載されている。税務事項における金融口座に係る自動交換制度(Automatic Exchange of Financial Account Information in Tax Matters、以下「AEOI」)の技術的な修正法案(第5項~11項)が2019年1月1日付で発効する予定で、その他の自動交換制度に関連する条項は、本日付で発効している。

国際金融センターとして、香港は、税務上の透明性の向上と国境を越えた租税回避への対策に尽力しており、経済協力開発機構(Organization for Economic Co-operation and Development、以下「OECD」)が打ち出している、企業の税源浸食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting、以下「BEPS」)及びAEOIの設置に積極的に従事している。国際社会における税務上の情報交換の範囲とネットワークが拡大し続けていることを踏まえ、香港は、様々な新しい税務基準を実施するために確立されてきた二国間(協定や条約等)方式から、関連するイニシアティブを取るためにも、多国間税務行政執行共助協定(多国間協定)への移行が不可欠である。

政府スポークスマンは、「この修正法案は、改正された香港税務条例(Inland Revenue Ordinance、以下「IRO」)の下、香港が多国間との租税協定を実施するための法的な枠組みを提供するもので、これによって、AEOIに関連する措置及び国別報告書(多国籍企業が各税務管轄区域における事業活動による収入、利益及び納付した税金などの情報を記載した報告書)の自動交換、そして、BEPSパッケージに基づく税務裁定に係る情報の自発的な交換をより効果的に実施することが許容されるであろう」、と述べている。

二国間方式または多国間協定の下で、実施もしくは交換される情報の範囲は、一般的にほぼ同様である。当該修正法案は、IROの下での税務情報の取扱いに対し、現在適用される市民の個人情報保護及び機密保護の高い水準を変更することはない。

政府スポークスマンは、「立法会(Legislative Council、以下「LegCo」)による当該修正法案の通過後、香港政府は、多国間協定の適用を香港まで拡大するため、OECDへの適用領域拡大の宣言をするよう、中央政府に援助を求めている。行政長官会並びに行政会議は、多国間協定が香港において効力を有することを宣言すべく、命令を発することが推奨されている。修正されたIROの下で実施される当該命令は、LegCoにおける反対票を踏まえつつ、精査の対象となる」、と補足した。

当該修正法案はまた、OECDが公布した共通報告基準と整合させるため、AEOIに関する特定の条項の技術的改正も実施する。これらの改正法案(第5項~11項)は、各金融機関(Financial Institutions、以下「FIs」)のデューデリジェンス要件を大幅に変更するものではない。しかしながら、香港政府は、FIs報告書を作成するためのシステムや運用方法を微調整するのに時間を要することを考慮し、そのような規定は、2019年1月1日付でのみ有効となる旨を明確にしている。従い、既存のAEOI条項は、2019年中旬(2018年度のデータをカバー)までのFIs報告に引続き適用される一方で、ここで微調整された規定は、2020年中旬(2019年度のデータをカバー)及びそれ以降のFIs報告に適用されることとなる。

香港が国際税務への協力体制に関連する新たなイニシアティブを、より効果的に取って行き、かつ「非協調的税務管轄区域」と認識されるリスクを低減するために、香港政府は実行可能な限り迅速に、多国間協定に参加するための手続きを完了するよう努める。当該修正法案でのAEOIに係る取決めの改善に関して、香港政府は、FIs報告のための説明会を準備手配し、関連するガイドラインを修正し、さらに必要に応じて、引続きFIsへの支援を継続する。

原文、2018年2月2日更新)