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香港・二重課税免除措置に関連する新規定 – 給与所得税に対する移行期間取決め
2018年税務(改正)(第6号)条例(以下「改正条例」)が、2018年7月13日に制定された。当該改正条例の中で下記の通り、二重課税免除措置に関連する新規定が明示されている。
- 税務条例 (第112章) (Inland Revenue Ordinance、以下「IRO」)の第8条(1A)(c)の下、当該免除措置は、香港が包括的二重課税防止条約もしくは協定(Comprehensive Avoidance of Double Taxation Agreement or Arrangement、以下「CDTA」)を締結している国・地域(すなわち、「香港とのDTAを有する国・地域」)における役務提供を源泉とする、納税者の収益には適用されない。香港とのDTAを有する国・地域において提供された役務を源泉とする収益について、IROの第50条の下、納税者は当該収益に対して納付した外国税額に対応する金額に関して、税額控除を申請する資格を有することとなる
- 第8条(1A)(c)の下で提供される免除措置、もしくは第50条の下で認められる外国税額控除は、相手先の外国もしくは地域の法律、または関連するCDTAの下、納税者の外国税債務を最小限に抑えるために、当該納税者による合理的な手続を経て取り得る免除措置の金額を超えてはならない
- もし、第8条(1A)(c)の下で提供される免除措置、もしくは第50条の下で認められる外国税額控除が、納税者に対し一度承認され、その後の相手先の外国もしくは地域の法律の下での納税者の外国税額への調整の結果として、当該免税措置もしくは当該税額控除が、その外国税額を超えてしまう場合、対象となる納税者は、当該調整が実施されてから3カ月以内に、税務局局長に書面で通知しなければならない。
上述の規定は、2018年4月1日以降に開始する査定年度に関する税債務に対し、適用される(すなわち、査定年度2018/19年度以降)。
一部の納税者は、2018/19年度の個人所得税申告書を既に申告している、または当該査定年度末までに当該申告書を申告し、給与所得税の納税額を確定させる必要がある(すなわち、香港を既に離れている、もしくはこれから離港する納税者)。これらの案件に対しては、対象となる納税者の2018/19年度の個人所得税申告書が、2018年12月31日以前に税務局によって受理されていることを前提として、香港とのDTAを有する国・地域において提供された役務を源泉とする収益に対し、税務局は、第8条(1A)(c)の下で提供される免除措置を付与するか否かを検討する。2018/19年度の給与所得税額が既に確定している場合、当該規定に従い、再評価されることはないものとする。
2019年1月1日以降に受領される2018/19年度の個人所得税申告書に関しては、上記規定に正しく従う必要がある。
(原文、2018年10月26日更新)