香港 印紙税

香港・非居住用不動産取引に対する従価税である二倍印紙税の廃止

香港行政長官の林鄭月娥(Carrie Lam Cheng Yuet-ngor)氏は、本日(2020年11月25日)の施政報告の中で、非居住用不動産取引に関する従価税である二倍印紙税(Doubled Ad Valorem Stamp Duty 、以下「DSD」)を廃止するため、印紙税条例改正の明日(11月26日、発効日)からの導入を発表した。香港税務局は、非居住用不動産取引に課される従価印紙税率を、発効日以降Scale 1(第一標準税率、1.5~8.5%)からScale 2(第二標準税率100香港ドル~4.25%)に戻すこととなる。

DSDは、取引活動が活発で価格の高騰をもたらした不動産市場の過熱を背景に、2013年に導入された。当時不動産市場の安定を維持するためには、非非居住用不動産の需要を抑える措置が必要であった。COVID-19パンデミックを取巻く景気後退及び不確実性の結果として、非居住用不動産の販売価格と取引量が一定期間大幅に下落しており、市場の需要が鈍化したことを示していた。香港政府は、需要に対する管理措置として、今がDSD撤回の適切な時期であると考えている。

DSDの廃止は、景気後退が故に、財政難や現金流動性ニーズに直面している企業による非居住用不動産の売却を促進し、このパンデミックが香港経済及び事業活動に与える影響を和らげる可能性がある。

2020年印紙税(改正)条例草案(以下「条例草案」)は、当該廃止を発効するものである。関連する不動産所有者が、可能な限り早急にDSD廃止の恩恵を受けられるよう、香港行政長官は、法定権限を行使することによって2020年公共収入保障(印紙税)命令(以下「命令」)を発令し、当該命令が効力を維持している限り、当該条例草案に完全なる法的効力が与えられることとなる。当該命令と当該草案は、各々本日及び11月27日に官報に公告され、12月2日に立法会に提出されている。

発効日より前に実行された売買文書は全て、元々のDSDレートにおける従価印紙税を課されることとなる。

原文、2020年11月25日更新)