香港 会社条例

「香港法人の重要な支配者登録義務」改正会社法条例2018年3月1日施行

会社登記局外部通達番号2/2018により、2018年3月1日に2018年会社法(改正)条例が施行されます。企業の所有権の透明性を高め、国際的な義務を達成するために、この改正条例により、香港に設立された法人に「重要な支配者登録簿Significant Controllers Registers(SCR)」(以下SCRとする)を備えることを義務付けます。(外国法人の香港支店、香港における上場企業は除外)
「重要な支配者」として登録が必要になる条件は、以下のいずれかに該当する場合となります。

  • 直接或いは間接的に該当する法人の発行済株式を25%超保有。
  • 直接或いは間接的に該当する法人の議決権を25%超持つ。
  • 直接或いは間接的に該当する法人の取締役の過半数を任命或いは解任する権限を有する。
  • 該当する法人に対し、重大な影響力及び支配力を発揮する或いは権利を持つ自然人。


「SCR」は、香港において保管されなければなりませんが、法人の登記住所に於いて保管しない場合は、会社登記局指定フォームFormNR2( Notice of Location of Registers and Company Records)によって、会社登記局へ保管場所住所の届け出が必要になります。このフォームは、2018年3月1日より改訂され、フォーマット内に、新たに「重要な支配者登録簿Significant Controllers Registers(SCR)」の所在住所を記載する項目が追加されています。保管場所が変更した場合には、15日以内に変更登記が必要になります。

合理的な理由によって「重要な支配者」と認定された対象者/法人へ通知をし、「重要な支配者」と認定され通知を受けた対象者/法人は、要求された情報を提供する必要があります。

「SCR」へ記載する「重要な支配者」の情報の内容は、以下になります。

法人の場合

  1. 名称
  2. 法人番号
  3. 法人形態
  4. 設立国家
  5. 登記住所
  6. SCR登録日
  7. 重要支配該当要件(25%超発行済株式保有など)

自然人の場合

  1. 氏名
  2. パスポート番号或いは香港ID番号
  3. 国籍
  4. 住所
  5. SCR登録日
  6. 重要支配該当要件(25%超発行済株式保有など)

会社登記局のオフィサーがコンプライアンス状況を調査する目的で「SCR」の確認を実施することがありますが、調査時のコンタクトポイントとなる法人の「指定代表者Designated Representative」を指定する必要があります。指定された代理人は、香港に居住する自然人である香港法人の株主、取締役、従業員、または会計士、法律専門家、サービスプロバイダー(会社秘書役会社など)のいずれかでなければなりません。

「SCR」には、この「指定代表者Designated Representative」情報についても、名称、住所、電話番号、ファクシミリ番号の記載が必要になります。

「SCR」を作成していない、或いは適切に記録されていなかった場合は、第4級の罰則規定が適用されます。

会社条例に関する、香港政府の専用ホットラインは、香港 (852) 3142-2822が設置されています。ホットラインは、月曜日から金曜日の午前9時から午後8時まで。土曜日は、午前9時から午後1時までです。Eメールによる問合せのメールアドレスは、cr.scr@cr.gov.hk です。