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2008年1-3月の加工貿易額推移と禁止類目録の調整

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2008年に入り、1-3月の加工貿易額の推移が税関や商務部より発表されています。発表のポイントは、加工貿易輸出額の伸びが減速しているということで、国内外の経済動向に加え、加工貿易政策の調整過程の参考値として比較的注目されています。

08年1-3月の加工貿易輸出入実績は2705.3億米ドルで前年同期比14%増加ですが前年同期の伸びに比べて4.8ポイント減少していま す。そのうち、加工貿易輸出は1526.5億米ドルで前年同期比14.8%増加、前年同期の伸び率に比べ9.2ポイントの減少。一方、加工貿易輸入は 885億米ドルで12.6%、前年同期の伸び率に比べて1.7ポイント増加しています。
加工貿易及び一般貿易を含む輸出入総額でも、輸出額の伸び率が前年度同期に比べ減少しており、特に輸出の集中する広東及び浙江省付近での変動幅が大きいということです。
加工貿易政策の調整をどのように進めるかについて、税関総署の加工貿易関連部門によると、次のような検討要素があるとのことです。
  • 労働密集型業種が中国の就業問題解決に貢献していること。
  • 香港、台湾との政治的立場
  • 産業構造と経済発展の地域分布:商品分類を進め、加工貿易企業の認可基準を設定し、また中西部への産業移転を促進する。
  • 自然災害状況。
  • 国際市場、経済状況
  • 国産貨物の再輸入制限。
  • 為替変動状況。
  • 加工貿易貨物の転廠手続きについての改革、促進。

このような中、商務部と税関総署は連合で、4月2008年第22号公告《2008年加工貿易禁止類商品目録》を発布しました。
新しい目録はこれまでに発布された加工貿易禁止類目録を2008年の輸出入税則に合わせ町政したもので、税関商品コードで1816品に渡っており、この内新たに禁止類商品となったもの39品と、2007年の第2次加工貿易禁止類商品598品を含んでいます。
今回の加工貿易禁止類商品目録の発布は、一連の加工貿易政策に沿ったものとはいえ、これまでのように強硬で大幅な増加を見せていません。これは、国際的な市場動向の変化と、人民元高圧力及び人件費や原材料など生産コスト上昇などによる、とりわけ労働密集型産業:衣料品、靴、玩具製造業種などへの多大な影響を鑑み、一先ず大幅な調整を進めていないものと言われています。
但し、加工貿易政策推進の目標の一つが加工貿易モデルのアップグレードと、産業構造の転換にあるという原則は変わっておらず、2007年第2次禁止類目録が環境・エネルギー・資源に関連する鉱物品、化学品、プラスチックや鋼鉄・アルミ関連の貨物を対象としていたのに続き、新たな禁止類品目にも環境汚染影響度の高いものが含まれているとされています。
また、禁止類、制限類の発布が増値税還付率の引き下げと取り消しという措置とリンクしている原則も変わっていません。従って08年禁止類目録に続く、制限類目録の内容としては、07年財税90号として発布された、1000種あまりの還付率引き下げリストが基準となるとされています。
加工貿易ビジネスモデルのアップグレードの対象の一つとなっている、華南式の来料加工廠の多くは深圳、東莞に集中していますが、各地の政府関連機関では、加工廠の法人化に対する積極的な支援の取り組みが行われています。深圳龍崗区政府のウェブサイトによると、龍崗区には3600社余りの加工貿易企業があり、そのうち来料加工企業が2500社近くに達するとのことです。龍崗区では法人化を進める来料加工廠に対するサポート体制を整えるため加工廠の同一場所での法人化に対する業務プランや、保証金担保・進料加工貿易貨物の国内販売手続き手順の明確化などの規定を発布し業務改善を進めているようです。また一方ではエネルギー消耗型・環境汚染型業種、及び付加価値・信用度の低い企業を「両高・両低」企業として、改善を図れなければ移転か撤退を促進するという措置を実施していくとしています。これは同区の、産業構造の転換を実現したいという意志を示していると言えます。
(以上)