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[華南ビジネス] 東莞地域の法人化、内販、手冊問題解決への措置

東莞地域を管轄する黄埔税関が、東莞市政府と連合で地域の加工貿易の転換や内販の便利化についての業務実施計画を発布しました。この業務計画は、金融危機以降の経済状況を鑑み、加工貿易企業転換の主要な地域として黄埔税関が東莞市政府と連合で転換促進業務を組織し推進していくもので、取組期限は2009年12月31日までとされています。

内容は大きく3つに分かれており、

  1. 転換企業の余剰材料や元の輸入設備の処理、並びに企業管理類別について
  2. 内販促進について
  3. 企業の自己調査・報告により、これまでに積み重なった手冊問題の解決を促すことについて

という各事項を含んでいます。以下に各内容を紹介します。

(1)転換企業の余剰材料、設備、企業管理分類について

転換企業に対し、余剰材料及び元の輸入設備について、”同一企業”とみなして結転の処理を行います。結転に際して免税を認め、設備の税関監督管理期限を連続してカウントします。

また、転換企業はもとの企業管理分類を維持することを申請することができます。来料加工廠を清算し別の外商投資企業に合併する場合、2社が同一の投資者であれば、外商投資企業がB類に達しない場合を除いて、来料加工廠のA分類を維持することができるとされています。AA類の来料加工廠が維持を申請する場合は、東莞市政府の建議書を直属税関許可の上税関総署へ提出し認可を受けます。

(2)内販促進について

内販の審査批准の所要時間を速め、申請時、即日で完了できるようにします。また、事前価格審査、商品分類を行い、通関時にあらためて審査を行わないことにより、通関の効率を高めます。

また、無償提供設備を用いて100%輸出用製品を製造していた企業が内販を行うような場合には、商務主管部門が発行した《加工貿易保税輸入材料内販批准証》の範囲で、内販の税関手続きを行います。これにより、設備はそのまま減免税の優遇を維持することができます。

内販時の価格審査については、更に体制が整えられていきます。税関は取引価格を基本に完税価格を計算し、故意に価格を調整した疑いがある場合には検査が行われることになります。

集中申告の対象範囲を拡大します。ネットワーク企業とAA類、A類のみに認められていた集中申告を拡大し、A類管理を申請予定のB類企業も対象範囲とします。企業は有効な担保を基に、商務主管部門発行の《加工貿易保税輸入材料内販批准証》の範囲内で、当月内販した保税貨物を次月の15日まで(但し、核銷期限と契約有効期間内)に内販課税手続きを行います。

内販課税手続きを期日通りに行わない場合、税関は集中申告資格を停止し、現場検査が行われることになります。

(3)手冊の問題について

加工貿易保税貨物の実際在庫が、手冊の在庫データに比べ不足しているか、或いは過剰な状況、或いは長期にわたり税関に不良品、くず材、副産品、災害貨物を報告していない状況などについて、企業が自ら過去3年分(特殊な場合は設立以来現在まで)を調査し報告することとされています。

企業は《加工貿易企業転換自己調査状況申告表》に記入し、外経部門及び税関に、残存する問題を報告する。外経部門が査定の上、税関より処理します。

自主的な調査報告に対し、原則的に現場検査は行わず、処罰なしとされていますが、偽り、報告漏れの疑いがある場合は検査が実施されます。

不足在庫に対し課税処理が必要、過剰在庫に対して内販或いは積み戻し処理が必要で、また課税材料との交換により引き起こした過不足については企業の説明が求められ、有効な手冊の中で相殺などを行って核銷することが認められます。不良品、くず材、副産品、被災貨物は税関が企業の取引価格に基づいて完税価格を査定します。その他未了の税関手続きがある場合には主管税関が規定に基づき取り扱います。

(以上)