中国 中国会計税務

[中国会計] 中国の国家統一会計制度(5)

一般的に、取引により発生した債権・債務を貨幣などの受け渡しを行って解消することを決済といいます。今回からは、中国の国家統一会計制度における「支払決済」(中国語:支付結算)の制度について説明いたします。 
 

支払決済

中国国内で行われる通常の支払決済には、『支付結算弁法』が適用されるものとなります。ここでは、組織個人が社会経済活動において手形、銀行取立て、委託代理取立て、銀行カードなどの決済方法により、貨幣を給付及び清算する行為を支払決済というものをいうとし、支払決済という行為は、中国国民銀行の批准を経た金融機関においてのみ行われることが規定されています。

手形等の記入への基本的要求

支払決算に使用する手形(為替手形、約束手形、小切手)及び決済証憑は、中国の中央銀行である中国人民銀行が制定・印刷した統一形式のものが使用されます。また、手形や決済証憑に記入する数字については、記載ミスや漏れ及び改ざんを防止するために、表記方法が規定され、かつ、正確にはっきりと記載することが求められており、これらの要求を満たさない場合には、原則として銀行が受理しないものとなっています。

1.金額

通常、中国では、2.00元というように「元」以下、「角」及び「分」の単位までを表記します。その書き方については、以下のように詳細に規定がされていますが、ゼロの表記の仕方がいささか複雑になっています。

1)「大写」と呼ばれる漢数字及び単位を楷書で記載すること。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 10 100 1000 10000

2)元の位で終わる場合には元の右に「整」(または「正」)を記載するが、角の位未満の数字がない場合には「整」を書かなくてもよく、分の後には「整」は書かない。

8.00元 8.10元 8.11元
捌元整 捌元壹角整 捌元壹角 捌元壹角壹分

3)アラビア数字のゼロは必ず記載するが、連続する場合には、1つのみでよい。万の位と元の位がゼロ、または数字の間に連続してゼロがある場合で、万の位、元の位がゼロ、但し千の位、角の位がゼロでないならば、「零」を一つだけ書いても、全く書かなくてもよい。角の位がゼロで、分の位がゼロではない場合、元の後には「零」を記載しなければならない。

1,409.50元 6,007.01元 1,680.32元
壹仟肆佰零玖元伍角 陆仟零柒元零壹分 壹仟陆佰捌拾元三角贰分
壹仟陆佰捌拾零元三角贰分
109,000.62元
壹拾万玖仟元陆角贰分 壹拾万玖仟元零陆角贰分 壹拾万零玖仟元陆角贰分

4)大写の数字の前には「人民幣」、アラビア数字の前には「\」の符号をつけ、数字と符号の間に空白をあけてはいけない。

2.日付

日付についても「大写」で書き、1月、2月、及び10月及び、1日~9日及び10日、20日、30日は数字の前に「零」を、また、11日~19日については、前に「壹(一)」をつけなければなりません。

2月12日 3月8日 10月20日
零贰月壹拾贰日 三月零捌日 零壹拾月零贰拾日