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[まとめ] 都市維持建設税と教育費付加の内外統一

2010年12月1日より、これまで一部の都市を除いて外資企業には免除されてきた都市維持建設税と教育費付加が、外資企業にも課税されることになりました。

都市維持建設税と教育費付加とは?

都市維持建設税

都市維持建設税は、都市農村の公共事業と公共施設の維持に用いられることを目的とした税金で、1985年より内資企業のみに課税されてきました。

納付した増値税・消費税・営業税の合計額に税率をかけたものが納税額となり、税率は市区で7%、県城・鎮で5%、市区・県城・鎮にない場合は1%です。

根拠法令は中華人民共和国都市維持建設税暫行条例(国発[1985]19号)です。

教育費付加

教育費付加は、教育専用資金として予算に組み入れることを目的とした税金の一種で、1986年より同じく内資企業のみに課税されてきました。

納付した増値税・消費税・営業税の合計額に付加率をかけたものが納付額となり、付加率は3%です。

根拠法令は教育費付加の徴収に関する暫行規定(国発[1986]50号)です。

今回の改正による影響

外資企業のみ免税とされてきた都市維持建設税と教育費付加が、内外統一されて外資企業にも課税されることになります。

税目 ~11月30日 12月1日~
都市維持建設税 市区 7%
県城・鎮 5%
その他 1%
教育費付加 3%

※深セン市では今回の改正以前も外資企業に対して都市建設税1%が課税されてきました。

今回の改正の意義

公式の記者会見で、今回の税制改正の意義は以下のように発表されています。

  • 内外資企業に対する税制を統一する。増値税・消費税・営業税・企業所得税・城鎮土地使用税・車船税・耕地占用税・不動産税等はすでに内外統一され、都市維持建設税と教育費付加のみが統一されていなかった。
  • 都市維持建設税と教育費付加の徴税原則(公共施設と教育サービスを享受する者が負担)に一致する。
  • 内外資企業の税負担を公平化することで、市場経済の公平な競争環境を整える。
  • 都市農村の建設と、教育事業の発展。

以上から、今回の改正は2008年の企業所得税内外統一から始まった一連の税制内外統一の総仕上げと見ることができます。