中国 中国アジア法令Q&A

[Q&A] 中国・アフターパーツの支給について

Q. 弊社は中国上海に販売を中心とする現法を設けておりますが産業機械分野のためどうしてもアフターサービスが必要となります。現状、商品が故障し現法に返却されますと日本に転送し修理、代替を行っております。

日本に転送しますとどうしても時間がかかり長期間お客様にお待ちいただくことが発生します。この解消のため現法に修理用のアフターパーツを在庫し交換によるアフターサービスを検討しています。

基本的にサービスとして行うつもりですので中国の現法には無償支給しようと考ています。

現法でのアフターパーツの使い方は「有償修理」「無償修理」があります。現法の話では無償で支給されたものを「有償修理」には使えないしまた、有償で支給しても逆パターンがあるということでした。

どのような方法が適切であるかアドバイスいただけますと幸いです。

記事の内容は、法規定の変更などにより、現在の状況と異なっている場合がありますのでご留意ください。

A. まず、日本本社から中国現法への部品の輸入(A)と中国現法から顧客への部品・サービスの提供(B)は、直接の法律的な影響がないため切離して考えてよいかと思います。

その上で、Aを無償で行うことの問題点は3点あります。

第一に、通関時の関税・増値税の問題。
無償で輸入したとしても、税関評価額により関税・増値税を課税されると考えられます。この場合、納税すれば問題ありません。

第二に、通関時の外貨核銷(確認照合)の問題。
無償で輸入した場合でも、税関評価額により外貨の対外支払を求められることがあります。

第三に、移転価格税制上の問題。
国際的な関連会社間の取引価格が独立企業間取引原則に反している場合、税額が減少した国家(今回は日本)の税務当局より追納を求められる場合があります。

従って、無償よりも有償による輸入が妥当ではないかと思います。

Bについては、中国現法の経営範囲に「販売に関連するサービスの提供」などの文言が入っている必要があります。

また、サービスの価格が無償であるか有償であるかは、契約上明確に分けてあれば特に問題にはならないと思います。尚、有償の場合、増値税の課税対象となります。