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[全訳] 中華人民共和国消費税暫定条例実施細則
中華人民共和国消費税暫定条例実施細則
財政部 国家税務総局第51号令(原文)
第1条 《中華人民共和国消費税暫定条例》(以下、条例とする)に基づいて、本細則を制定する。
第2条 条例第1条にいう組織とは、企業、行政組織、事業組織、軍事組織、社会団体及びその他組織をいう。
条例第1条にいう個人とは、個人事業者、その他個人をいう。
条例第1条にいう中華人民共和国国内とは消費税課税対象消費品の生産、委託加工、輸入の運送起点又は所在地が国内であることをいう。
第3条 条例添付の《消費税税目税率表》の課税消費品の具体的な課税範囲は財政部、国家税務総局が確定する。
第4条 条例第3条にいう納税者が異なる税率の課税消費品を兼営するとは、納税者が2種類以上の税率の課税消費品を生産販売することをいう。
第5条 条例第4条第1項にいう販売とは、課税消費品の所有権を有償で譲渡することをいう。
前項にいう有償とは、購入者から貨幣、物品又はその他経済的利益を取得するこという。
第6条 条例第4条第1項にいう更に課税消費品の生産のために使用するとは、納税者が自家消費のために生産した課税消費品を直接材料として最終課税消費品の生産に使用し、自家消費の課税消費品が最終課税消費品の実体を構成することをいう。
第4条第1項にいうその他の用途に用いるとは、非課税消費品、建設仮勘定、管理部門、非生産機構、役務提供、贈与、スポンサー、資金募集、広告、サンプル、従業員福利、奨励等に課税消耗品を使用することをいう。
第7条 条例第4条第2項にいう委託加工の課税消費品とは、委託者が原料及び主要材料を提供し、受託者が加工費、一部の補助材料の立替料のみを受取り、加工する課税消費品をいう。受託者が原材料を提供し生産した課税消耗品、又は受託者が先に原材料を委託者に売却しその後加工を引き受ける課税消耗品、及び受託者が委託者の名義で原材料を購入し、生産する課税消費品は、会計上売上処理を行うか否かに関わらず、委託加工の課税消費品としてはならず、自家生産の課税消費品の売上として消費税を納付する。
委託加工の課税消費品を直接販売する場合、改めて消費税を納付しない。
個人が課税消費品の加工を委託した場合、委託者が回収した後、消費税を納付する。
第8条 消費税納税義務の発生時期について、条例第4条の規定により下記の通りに規定する。
(1) 納税者が販売した課税消耗品は売上決済方式により下記の通りに規定する。
① 掛売り、分割代金受領方式を採用する場合、書面契約の約定した代金受領日の当日とする。書面契約に代金受領日を約定していない場合又は書面契約のない場合、課税消費品出荷の当日とする。
② 代金前受方式を採用する場合、課税消費品出荷の当日とする。
③ 取立委託又は銀行委託取立方式を採用する場合、課税消費品を出荷し、代金取立委託手続を完了した日とする。
④ その他決済方式を採用する場合、売上代金を受領した日、又は売上代金取立証憑を受領した日とする。
(2) 納税者が課税消費品を自家消費する場合、移送使用する当日とする。
(3) 納税者が課税消費品を委託加工する場合、納税者が当該物品を引き取った当日とする。
(4) 納税者が課税消費品を輸入する場合、輸入通関の当日とする。
第9条 条例第5条第1項に言う販売数量とは、課税消費品の数量をいう。具体的には下記の通りである。
(1) 課税消費品の販売の場合は、課税商品の販売数量とする。
(2) 課税消費品の自家消費の場合は、課税消費品の移送使用数量とする。
(3) 課税消費品の委託加工の場合は、納税者の回収した課税消費品数量とする。
(4) 課税消費品の輸入の場合は、税関が査定した課税消費品の輸入課税数量とする。
第10条 従量定額法により課税消費品の納付税額を計算する課税消耗品の計算単位の換算基準は下記の通りである。
(1) 黄酒 1トン=962リットル
(2) ビール 1トン=988リットル
(3) ガソリン 1トン=1,388リットル
(4) ディーゼルオイル 1トン=1,176リットル
(5) 航空ケロシン 1トン=1,246リットル
(6) ナフサ 1トン=1,385リットル
(7) 溶剤油 1トン=1,282リットル
(8) 潤滑油 1トン=1,126リットル
(9) 燃料油 1トン=1,015リットル
第11条 納税者が課税消費品を販売し、人民元以外の通貨で売上額を決済する場合、売上額の人民元換算レートは売上発生した当日又は当月1日の人民元レートの中間値のいずれかを選択適用することができる。納税者は事前に採用する換算レートを確定し、確定後1年内は変更してはならない。
第12条 条例第6条にいう売上高には購入者から受取る増値税税額を含まない。納税者の課税消費品の売上高から増値税税額が控除されていない場合又は増値税専用発票が発行されない結果として売上高と増値税額を併せて受取った場合、消費税を計算するときは、増値税税額を含まない売上高に換算しなければならない。換算の計算式は下記の通りである。
課税消耗品売上額=増値税込み売上額÷(1+増値税税率又は課税率)
第13条 包装物と一緒に課税消費品を販売する場合、包装物の価格が個別に設定されているか否か、又は会計上の処理に関わらず、全て合算して課税消費品の売上高に含めて消費税を納付する。包装物の販売代金を取らず、保証金を取る場合、当該保証金を課税消費品の売上高に含めて課税しない。包装物が期限過ぎても回収されておらず、保証金を返却しない場合又は保証金を取って12ヶ月以上返却していない場合、課税消費品の売上高に含めて課税消費品の適用税率で消費税を納付する。
包装物の代金を取って課税消費品と一緒に販売し、更に別途に保証金を受取り、期限内に返却してない場合、課税消費品の売上高に含めて課税消費品の適用税率で消費税を納付する。
第14条 条例第6条にいう価格外費用とは、購入者から受取った価格外の手数料、補助金、基金、資金調達費用、返還利益、奨励金、違約金、延滞金、延期支払利息、賠償金、代理取立金、立替金、包装費、包装物賃借料、保管料、優良品質費、運送荷卸費用及びその他各種類の価格外費用をいう。但し、下記の項目は含まない。
(1) 同時に下記の条件を満たした立替運輸費用
① 購入者宛に運輸費用発票を発行した運輸部門の運輸費
② 納税者が当該発票を購入者に渡すこと
(2) 同時に下記の条件を満たした代理取立の政府性基金又は行政事業性費用
① 国務院又は財政部の承認により設立した政府性基金、国務院又は省レベル人民政府及びその財政、価格管轄部門の承認により設立した行政事業費用
② 取立時に省レベル以上の財政部門が官製した財政証票を発行したもの
③ 取立てた費用を財政に上納する
第15条 条例第7条第1項にいう納税者が自家消費のために生産した課税消費品とは、条例第4条第1項に規定する移送使用時に納税する課税消費品をいう。
条例第7条第1項、第8条第1項にいう同種類消費品の販売価格とは、納税者又は源泉徴収義務者の当月販売の同種類消費品の販売価格をいう。当月の同種類消費品の各期の販売価格が異なる場合、販売数量に基づいて加重平均計算する。但し、販売する課税消費品が下記のいずれかに該当する場合、加重平均計算に入れてはならない。
(1) 販売価格が明らかに低額で且つ正当な理由のない場合
(2) 販売価格のない場合
当月に売上がないか、又は当月に決済が完了していない場合には、同種類消費品の前月又は最近の月の販売価格により計算納税する。
第16条 条例第7条にいう原価とは、課税消費品の製品製造原価をいう。
第17条 条例第7条にいう利益とは、課税消費品の全国平均原価利益率により計算した利益をいう。課税消費品の全国平均原価利益率は国家税務総局が確定する。
第18条 条例第8条にいう材料原価とは、委託者が提供する加工材料の実際原価をいう。
課税消費品を委託加工する納税者は委託加工契約に材料原価を明記(又はその他方法で提供)しなければならず、材料原価を提供していない場合、受託者の管轄税務機関は材料原価を査定する権限を有す。
第19条 条例第8条にいう加工費とは、受託者が課税消費品を加工して委託者から受取った全ての費用(立替補助材料の実際原価を含む)をいう。
第20条 条例第9条にいう関税課税価格とは、税関が査定した関税課税価格をいう。
第21条 条例第10条にいう課税消費品の課税価格の査定権限は下記の通りである。
(1) 巻タバコ、蒸留酒、自動車の課税価格は国家税務総局が査定し、財政部に届け出る。
(2) その他課税消費品の課税価格は省、自治区、直轄市国家税務総局が査定する。
(3) 輸入課税消費品の課税価格は税関が査定する。
第22条 輸出した課税消費品が税金還付を受けた後、税関に戻された場合、又は国外からの返品が再輸入の時に免税を受けた場合、輸出通関者は直ちに機構所在地又は居住地の管轄税務機関に還付された消費税税金を申告し、納付しなければならない。
納税者が直接輸出した課税消費品の免税手続を行った後、税関に戻された場合、又は国外から返品されて、再輸入の時に免税を受けた場合、機構所在地又は居住地の管轄税務機関の承認を受けたときは、追加納付しなくてもよいが、国内販売する時に消費税を申告し、追加納付しなければならない。
第23条 納税者が販売した課税消費品が品質等の理由で購入者から返品された場合、機構所在地又は居住者の管轄税務機関の承認を受けた上で、納付した消費税税額を還付することができる。
第24条 納税者が自家生産の課税消費品を県(市)外で販売又は委託販売する場合、課税消費品の販売後に機構所在地又は居住地の管轄税務機関に申告納税する。
納税者の本店と支店が同一の県(市)にない場合、各機構所在地の管轄税務機関にそれぞれ申告納税する。財政部、国家税務総局又は権限が与えられた財政、税務機関の承認により、本店がまとめて本店所在地の管轄税務機関に申告納税できる。
個人に課税消費品の加工を委託する場合、委託者が機構所在地又は居住地の管轄税務機関に申告納税する。
輸入課税消費品は輸入者又は代理人が通関地の税関に申告納税する。
第25条 本細則は2009年1月1日より施行する。