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[華南ビジネス] 加工貿易禁止目録の発布(省エネ・汚染物質排出削減)

9月29日付け2010年63号公告《加工貿易禁止類目録増加商品》にて、商務部、税関総署は加工貿易禁止類目録に対し調整を行い発布しました。11月1日より施行されます。税関の10桁の商品コードで44種の商品が加工貿易禁止目録に新たに加えられ、その内、多結晶シリコン(原文:多晶硅)、ガラス片(原文:废碎玻璃)など22種類が輸出禁止、還元鉄(原文:热压铁块)、ダイカスト廃棄材料(原文:鋳鉄废碎料)、自動車スクラップ(原文:废汽车压件等)の22種類は輸出入禁止とされています。

中国は1999年より加工貿易の輸出入貨物を禁止・制限・許可に区別する商品分類管理を行ってきましたが、2007年には、輸出超過と国内産業構造の改善、環境汚染の改善、国の資源の保護などを図るため、貿易実績に大きな影響を及ぼす加工貿易商品に対して、還付率の調整と加工貿易認可の両方で規制する方針を明確にし、加工貿易禁止類目録の発布は毎年の市場・政策の状況に応じて流動的に追加・削除が行われています。また、06年以降、増値税還付率調整時、還付を取り消す商品については同時に加工貿易禁止類リストに組み入れることを発表しています。

金融危機発生以降、制限類、禁止類の新たなリスト加入は行われておらず、現状では金融危機前の2007年に発布された制限類リストの制限内容実施が暫定的に停止されている状況となっています。今回の禁止類リストの発布は、金融危機以降初めての追加品目の発布となります。

これより少し前、財税[2010]57号で、一部の鋼材、一部の有色金属加工材、銀粉、アルコール・コーンスターチ、一部の農薬・医薬・化学工業製品、一部のプラスチック及びプラスチック製品、ゴム及びゴム製品、ガラス及びガラス製品という6大分類、10桁の税関HSコードで406種類の商品について、2010年7月15日より増値税の輸出還付が取消されました。

この公告と通知の発布はいずれも、中国の省エネルギー・汚染物質排出削減(中国語で「節能減排」)目標数値達成への追込み的な取り組みを目的としていると言われています。汚染度が高く、エネルギー消耗が大きく、資源性(「两高一资」)の製品輸出や産業を抑制し、循環型経済、省エネ、環境保護社会を目指している政策の一環といえます。

(以上)