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[全訳] 国内企業による国外貸付に関する外貨管理に関連する問題の通知
国家外貨管理局
国内企業による国外貸付に関する外貨管理に関連する問題の通知
匯発[2009]24号(原文)
国家外貨管理局各省、自治区、直轄市分局、外貨管理部、深セン、大連、青島、アモイ、寧波市分局、中国資本外貨指定銀行本行:
国内企業の外貨資金運用と経営行動の利便化して、国内企業の資金使用効率を向上させ、国外企業の将来に渡る投資経路を拡大するため、対外債権の管理と統計を規範化させ、国内企業の「対外投資」増加を促進するため、≪中華人民共和国外貨管理条例≫と関連の法律法規に基づいて、ここに国内企業による国外貸付に関する外貨管理に関連する問題を以下のとおり通知する。
一、本通知にいう国外貸付とは、国内企業(金融機構を除く。以下、「貸付者」とする)が承認された限度額内で、契約で締結した金額と利率、及び期限を以て、国外で合法的に設立した全額出資子会社か資本参画企業(以下、「借入者」とする)に直接貸し付けを行う資金融通方法をいう。
国外貸付は外貨指定銀行、或いは批准を経て設立された外貨業務資格を有する企業グループ財務会社を通じた委託貸付方式を以て実行する。
二、貸付者の所在地外貨管理局(外貨管理部)(以下、「外貨局」とする)は、国外貸付に関する限度額審査、登記、専用口座および資金の送金や振替等事項の監督管理実施に責任を負う。
三、国内企業が国外貸付を行う際は、本通知やその他外貨管理に関する規定を遵守した上で、外貨局の管理、監督と検査を受ける。
四、国外貸付の残高管理実行に関して、国内企業は外貨局が承認した国外貸付の限度額内において、一度で、又は数回に分けて国外へ資金を送金することが認められる。
国外貸付限度額の有効使用期間は、外貨局が国外貸付限度額を承認してから起算して2年間である。満期後に継続して使用する必要があれば、期限到来日前1ヵ月以内に、貸付者が所在地外貨局へ延期申請を提出しなければならない。
五、貸付者の国外貸付残高はその所有者権益の30%を超えてはならず、且つ借入者が締結した関連登記手続きの中国方協議投資額を超えてはならない。企業が上述する比率を超過する必要があると認識する場合、貸付者所在地外貨局での一次承認を経て、国家外貨管理局での審査を行う。
六、貸付者は自己所有の外貨資金、人民元での外貨資金購入、及び外貨局が承認する備蓄外貨資金を以て、借入者に対して国外貸付を実行する。
七、貸付者と借入者は、以下の条件を満たす必要がある。
(一)貸付者と借入者は、共に法に基づいた設立と登録がされ、且つ規定の登録資本金が払い込まれている
(二)貸付者と借入者は、継続的で良好な経営実績を有しており、健全な財務制度と内部統制制度が存在し、直近の三年間において外貨規定違反の状態にない
(三)貸付者のこれまでの国外直接投資項目は、全て国内対外投資主管部門による承認を受けており、且つ外貨局への外貨登記手続きを経ている。また、直近で参加した国外投資連合年検において二級以上を取得している(設立1年未満の場合を除く)
(四)承認を経た国外貸付に従事している場合、実施した前回の国外貸付活動が正常に行われ、契約違反の状況が発生していない
八、貸付者は、以下の資料を所在地外貨局へ持参して、国外貸付業務手続きを申請する必要がある。
(一)書面による申請内容は以下のようであるが、これに限らない:貸付者の基本情報、国外企業の基本状況、国外貸付金額、資金の出所と国外貸付承諾書(基本内容として、国外貸付金用途が我が国と借入者所在国、或いは地域の法律法規に合致すること;契約書の約定内容に従い適宜に貸付金利息を回収すること;我が国の国際収支バランス情況に重大な影響が発生する場合、国家外貨管理局の要求に従い国外貸付資金を直ちに回収すること等);
(二)貸付者と借入者が締結する貸付協議、或いは貸付者と借入者、及び国内受託外貨指定銀行か財務会社が締結する委託貸付協議書。協議書には、金額、利率、期限、保証方法、及び元金や利息の支払方法等を明確にする必要がある。
(三)貸付者の直近の財務会計監査報告書(貸付者が外商投資企業である場合、二年続けて外商投資企業連合年検を行い、且つ外商投資企業外貨登記証と前年度の外貨収支状況表を提出しなければならない);年度審査を経た工商営業許可書、既に国外貸付を行っている場合の状況や返済等の説明;自己所有の外貨資金を貸し付ける場合、申請日前月末までの貸付者外貨口座明細書;外貨を購入して貸し付ける場合、購入予定金額の説明
(四)借入者の国外投資外貨登記証と直近の財務会計監査報告書
(五)外貨局が要求するその他補充資料
貸付者所在地外貨局が上述した申請資料を欠けることなく受領して確認をした場合、20営業日以内に、承認か否認の決定を下す。承認をする場合には、その国外貸付限度額を同時に定める。
九、貸付者は、外貨局の定めた国外貸付限度額を取得した後、国外貸付承認文書を以て直接に外貨指定銀行で国外貸付専用口座の開設を申請することができる。貸付者が数企業への国外貸付を有する場合、国外貸付専用口座を一つ開設して、当該口座を通じた相応の資金の振替を統一的に行う。
貸付者が国外貸付専用口座を抹消する場合、国外貸付承認文書と貸付資金の回収に係る関連証票等を以て外貨指定銀行にて国外貸付専用口座の抹消申請を行う。
全ての国外貸付資金は、必ず国外貸付専用口座を通じて国外へ送金しなければならず、元金や利息の返済資金も必ず当該国外貸付専用口座を通じて回収する。
十、国外貸付専用口座への入金は、貸付者の資本金外貨口座か経常項目外貨口座から振り替えられる外貨資金;外貨局の承認を経た備蓄外貨資金口座から振り替えられる外貨資金;国外貸付のために購入する外貨資金;国外借入者から回収する貸付金利息;国外借入保証者が支払う保証履行資金である。
支出は、国外貸付契約書に基づいた借入者への国外貸付金送金;国外貸付金回収利息の供給元である資本金外貨口座や経常項目外貨口座、或いは備蓄外貨資金口座への振り替え;購入した外貨分の人民元への両替
十一、貸付者が自己所有の外貨資金を以て国外貸付を行う場合、国外貸付承認文書を以て外貨指定銀行での国内振替手続きを行うことができる;貸付者が人民元での外貨資金購入を以て国外貸付を行う場合、国外貸承認文書を以て外貨指定銀行での外貨購入と国内振替手続きを行うことができる。
十二、貸付資金の国外貸付専用口座からの国外送金、或いは元金や利息の回収、保証履行資金等の国外からの国外貸付専用口座への入金に際して、貸付者は書面による申請、国外貸付に対する承認文書、国外貸付専用口座の明細書等資料を所在地外貨局へ提出して審査を申請する。所在地外貨局は審査を経て、貸付者に資本項目外貨業務承認書を発行し、これを以て外貨指定銀行は相応する資金の入出金手続きを実施する。
十三、国外貸付期間の満了、或いは国外借入者が分割払いや繰上返済を要求する場合、元金や利息の回収資金は所在地外貨局の承認を経て国外貸付専用口座へ振り替えられた後、回収した資金は優先的に資本金外貨口座から振り替えた金額部分の当該口座への戻し入れに充て、資本金外貨口座からの貸し出し部分がすべて戻し入れられた後に、残余部分を経常項目外貨口座へ振り替えることができる。外貨購入した部分に対しては、国外貸付承認文書と外貨購入証票を以て外貨指定銀行にて直接に人民元両替手続きを行うことができる。
十四、国外貸付の返済資金を貸付者資本金外貨預金口座へ送金や振替を行う際、資本金外貨口座の限度額を占めてはならない;送金や振替を行う外貨指定銀行は、当該回収資金に対する外貨指定銀行確認状を発行する際、備考欄に「貸付資金の返済」である旨を明記しなければならず、会計士事務所は当該種類の外貨指定銀行確認状を以て外商投資企業の資本金検査業務を行ってはならない。
十五、貸付者は、国際収支統計申告の関連規定に従い、国外貸付資金の送金や返済等情報を適宜正確に申告しなければならない。
十六、外貨局は、毎年の国外投資企業連合年度検査において、貸付者の貸付資格や貸付限度額に対する確認を行う。連合年度検査に参加しない、或いは合格しない貸付者に対して、外貨局はその国外貸付元利金回収を指示しなければならず、貸付者に対する国外貸付資格延長を認めない。
十七、貸付者が国外貸付を持分投資に変更する場合、国外投資の関連規定に従い国外投資承認手続きと外貨登記変更手続きを行わなければならない。
十八、国家外貨管理局は、我が国の国際収支と国外貸付の状況に基づいて、国内企業に対する国外貸付資格条件、出所、及び数量や期限等を適切な調整を行うことができる。
十九、貸付者が本通知の規定に違反する場合、外貨局は≪中華人民共和国外貨管理条例≫や関連外貨管理規定に基づいて処罰を科す。その情況が重大である場合、その国外貸付や延長申請を承認しない;実施している国外貸付を終止することを指示し、且つ国外貸付金の回収を命じる。
二十、外貨指定銀行が本通知の規定に違反して外貨業務手続きを行う場合、外貨局は≪中華人民共和国外貨管理条例≫や関連外貨管理規定に基づいて処罰を科す。
二十一、ノンバンク機関の国外貸付管理弁法は、別途規定する。
二十二、本通知の解釈は国家外貨管理局が責任を負う。
二十三、本通知は2009年8月1日より施行する。≪多国籍企業の外貨資金内部運用管理に関連する問題の国家外貨管理局の通知(匯発[2004]104号)≫内の国外貸付に関連する外貨管理条項で本通知と矛盾が生じる場合、本通知を基準とする。