中国 企業所得税

[全訳] 中国・非居住者企業の役務提供に対する企業所得税に関する公告

国家税務総局
非居住者企業の派遣人員の中国国内における役務提供に対する企業所得税課税に係る問題に関する公告
国家税務総局公告2013年第19号

《中華人民共和国企業所得税法》及び同実施条例、中国政府が締結した二重課税回避協定(香港、マカオ特別行政区との租税協定を含み、以下、「租税条約」と総称する)及び《国家税務総局による〈中華人民共和国政府とシンガポール共和国政府の所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための協定及び協定書条項解釈〉の公布に関する通知》(国税発[2010]75号)等の規定に基づき、非居住者企業の派遣人員の中国国内における役務提供に対する企業所得税課税に係る問題について以下の通り公告する。

一、人員を派遣して中国国内で役務提供を行う非居住者企業(以下、「派遣企業」という)は、派遣人員の業務の結果について一部または全ての責任及びリスクを負い、派遣人員の通常の業績評価を行う場合、派遣企業は中国国内に機構・場所を設立して役務を提供しているとみなされる。派遣企業が租税条約の相手国の企業であり、かつ役務を提供する機構・場所が相対的に固定性・恒久性を有する場合、当該機構・場所は中国国内にて設立された恒久的施設に該当する。
上述の判断に当たっては、以下の要素を総合的に勘案する。
(一)役務提供を受ける国内企業(以下、「受入企業」という)が派遣企業に対して管理費・サービス費の性質を有する支払を行っている。
(二)受入企業から派遣企業に支払う金額が、派遣企業が立て替えた派遣人員の給与、賞与、社会保険費及びその他費用を超過している。
(三)派遣企業が受入企業から支払を受けた費用を全額派遣人員には支給せず、一定額を留保している。
(四)派遣企業が負担する派遣人員の給与・賞与の全額については中国において個人所得税を納税していない。
(五)派遣企業が派遣人員の人数、職位、給与標準及び国内勤務地を決定している。

二、派遣企業が単に受入企業に対して株主権利を行使し、適正な株主利益を確保するためだけに人員を派遣して中国国内で役務を提供する場合(派遣人員が派遣企業に対して受入企業への投資に関する提案を行う、派遣企業を代表して受入企業の株主総会・董事会等に出席する、等)、これらの活動は受入企業の営業場所において行なわれることから、派遣企業が中国国内に機構・場所または恒久的施設を有しているとは認定しない。

三、第一条の規定に該当する派遣企業及び受入企業は、《非居住者による請負工事作業及び役務提供に関する税収管理暫行弁法》(国家税務総局令第19号)の規定に基づき、税務登記、備案、税務申告その他の手続を行う。

四、第一条の規定に該当する派遣企業は規定に従って取得した所得を正確に計算し、実際の状況に基づいて企業所得税を申告納付する。申告を行うことができない場合、税務機関は関連規定に基づいて課税所得額を推定する権利を有する。

五、主管税務機関は派遣行為に対する納税管理を強化し、以下の派遣行為に関する資料及び派遣手配の経済的実質と執行状況について重点審査を実施し、非居住者企業の企業所得税納付義務を確定する。
(一)派遣企業、受入企業及び派遣人員の間で交わされた契約協議または約定
(二)派遣企業または受入企業が派遣人員について制定した管理規定、派遣人員の業務職責、業務内容、業務考課、リスク負担等に関する詳細規定
(三)受入企業より派遣企業への支払費目及び関連会計処理状況、派遣人員の個人所得税申告納付資料
(四)受入企業による相殺取引、債権放棄、関連取引その他の隠蔽方法を通じて派遣費用の支払の有無

六、主管税務機関は企業所得税法及び本公告の規定に従って派遣企業の納税義務を確定する時、派遣人員の役務提供に係る個人所得税・営業税の主管税務機関との連絡を強化して関連情報を共有し、租税政策の正確な執行を確保する。

七、各地方は本公告の規定により非居住者企業の派遣人員の役務提供に関する税務処理を行う時、関連規定に厳正に従って、派遣企業または受入企業の対外支払関連手続を適時に処理する。

八、本公告は2013年6月1日より施行する。本公告が施行する前に発生したが、税務処理を実施していなかった事項に関しては、本公告により執行されるものとする。

ここに公告する。

国家税務総局
2013年4月19日

転送:各省、自治区、直轄市及び計画単独列示市の国家税務局、地方税務局