中国
[全訳] 一部の地区における輸出収入国外預入政策の試行に関する通知
国家外貨管理局 一部の地区における輸出収入の国外預入政策の試行に関する通知
匯発[2010]44号(原文)
2010年8月27日
国内企業の資金使用効率を高め、貿易の利便性向上を促進するため、《中華人民共和国外貨管理条例》の関連規定に従い、国家外貨管理局は2010年10月1日より、北京・広東(深センを含む)・山東(青島を含む)・江蘇の四つの地区において輸出収入の国外預入政策を試行し、試行期間を一年とすることを決定した。ここに試行に関する要求を以下のように通知する。
一、試行地区に、輸出収入の国外預入の意思があり、かつ規定の条件に符合する国内企業がある場合、所在地の国家外貨管理局分支機構(以下、外貨管理局とする)に申請し、批准後に試行に参加することができる。
二、試行地区の国家外貨管理局分局・外貨管理部(以下、試行分局とする)は《商品貿易輸出収入国外預入管理試行弁法》(以下《試行弁法》とする、添付資料を参照)の関連規定に従い申請企業の資格を審査し、当地の実情と管轄内企業の申請状況に基づいて、期間・組ごとに試行企業リストを確定する。試行期間中、試行分局ごとに確定する試行企業は全体で10社を超えないものとする。
三、試行企業は《試行弁法》の関連規定に従い国外口座の開設・閉鎖及び資金受払等の業務を行い、外貨管理局に関連する情報を提出する。
四、外貨管理局は《試行弁法》の関連規定に従い、試行企業の国外口座収支に対して管理を行い、企業を主体として業務台帳を作成する。
五、試行企業が国外に預け入れる輸出収入の年度総額は前年度輸出収入総額の一定比率を超過してはならない。その比率は試行分局が《試行弁法》の関連規定に従い、企業の実情に応じて確定、調整する。
六、外貨管理局は試行企業より報告された情報に基づき、試行企業のために輸出外貨収入核銷・輸入外貨支払核銷(または輸入外貨支払総量検査)等の関連外貨管理手続を行う。試行企業は輸出外貨収入の核銷を完了した後、規定により正常に輸出税還付の処理を行う。
七、試行分局は《試行弁法》と本通知の関連規定に従い本地区の試行ガイドラインを制定し、業務における実務上の要求を明確にする。試行ガイドラインは2010年9月20日までに総局に備案後、実施すること。
八、試行分局は輸出収入の国外預入試行業務の組織に対する指導を強化し、分管副局長をリーダーとする試行業務グループを組織し、総局の統一的指示に従い、具体的な試行業務計画を作成し、組織的に実施すること。
九、試行分局は管轄内の分支機構と試行企業に対する業務上の教育訓練を行い、政策を宣伝し、試行における問題を研究し、試行状況を速やかに報告し、四半期ごとに総局に試行業務の経過的な総括を報告すること。
実施中に発生した問題については、国家外貨管理局経常項目管理司に報告されたい。
特にここに通知する。
(添付資料)
商品貿易輸出収入国外預入管理試点弁法
第一条 国内企業の資金使用効率を高め、貿易の利便性を向上させるため、《中華人民共和国外貨管理条例》及びその他の関連外貨管理規定に従い、本弁法を制定する。
第二条 国内企業が真実で合法な取引の背景を有する商品貿易の輸出収入を国外に預け入れる(香港、マカオ、台湾地区を含む、以下同様)場合、本弁法の規定を遵守しなければならない。
第三条 商品貿易の輸出収入(以下、輸出収入とする)国外預入の資格条件・預入規模・期限または回収条件等は国家外貨管理局またはその授権分支機構が国際収支形勢と管理需要により確定し調整する。
第四条 国内企業が行う輸出収入の国外預入は下記に列挙する条件を満たす必要がある。
(一) 輸出入の規模が比較的大きく、輸出収入の国外預入の需要があること。
(二) 財務状況が良好であること。
(三) 直近二年以内に外貨管理規定に違反する行為がないこと。
(四) 信用記録が良好であること。
(五) 国内企業が企業グループの場合、国内において資金集中受払または集中管理の経験を有し条件を満たすこと。
(六) 国家外貨管理局及びその分支機構(以下、外貨管理局とする)の規定するその他の条件。
第五条 規定の条件を満たす国内企業グループは、グループ本部または参加する国内メンバー会社のうち一社を主催企業として指定することができる。その責任は本弁法により規定し、参加するすべての国内メンバー会社が国外に預け入れる輸出収入について集中受払を実行する。
第六条 規定の条件を満たす国内企業が預入輸出収入預入に用いる国外口座を開設申請する前に、国外口座開設銀行と国内報告銀行を指定し、《口座収支情報報告協議》(以下、《協議》とする、協議の見本は添付資料1を参照)を締結し、所在地の外貨管理局に下記の資料を提出する必要がある。
(一) 法人代表またはその授権者が署名し社印を捺印した申請書類。
(二) 監査済の直近二年分の財務報告書。
(三) 国内企業が輸出収入国外預入の実施のために運営し制定した内部統制制度と内部的ガイドライン。
(四) 国内企業が国外口座開設銀行・国内報告銀行と締結した《協議》。
(五) 集中受払を行う場合、参加するメンバー会社の債権債務及び会計帳簿に関する管理弁法または規章を提出する必要がある。
(六) 外貨管理局の要求するその他の資料。
輸出収入国外預入業務がその他の国内関連企業に及ばない、または集中受払を実行するが、主催企業とその他の参加メンバー会社が同一の外貨分局の管轄である場合、所在地の外貨分局の批准後、国内企業は国外口座を開設することができる。主催企業と任意のメンバー会社一社が異なる外貨分局の管轄である場合、国家外貨管理局の批准後、主催企業は輸出収入集中受払に用いる国外口座を開設することができる。
国内企業は口座開設後、規定の期限内に口座開設銀行・口座番号・口座名・口座開設銀行の所在国家・地区等を所在地の外貨管理局に備案すること。
第七条 国外口座の収入範囲
(一) 輸出収入。
(二) 口座資金収益。
(三) 外貨管理局が批准したその他の収入。
支出範囲:
(一) 商品貿易取引における支出。
(二) コミッション・運送保険費等の貿易関連費用支出・国外請負工事における費用支出。
(三) 銀行の日常管理費用支出。
(四) 外貨管理局に許可または登記された資本取引支出。
(五) 国内への回収。
(六) 外貨管理局の規定するその他の支出。
第八条 国外口座の収支は真実で合法な取引に基づき、中国及び口座開設銀行の所在国家・地区の関連法律規定に従わなければならない。
国外口座資金を規定により申告納税すべきサービス貿易支出に用いる場合、国内企業は主管税務機関の発行した《サービス貿易・収益・経常転移・一部資本取引の対外支払税務証明》を審査に備えて保管しておかなければならない。
第九条 国内企業は規定のフォーマット(添付資料2を参照)に従い、所在地の外貨管理局に輸出収入の国外預入収支の状況を正確に報告し、毎月少なくとも一回報告しなければならない。
国外預入資金の運用に重大な損失が生じた場合、国内企業は速やかに所在地の外貨管理局に報告しなければならない。
第十条 国内報告銀行は《協議》の約定に従い、国外口座開設銀行より受領した国内企業の国外口座収支情報を所在地外貨管理局に提出する。
第十一条 外貨管理局は国内企業と国内報告銀行の報告した情報に基づき、国外口座の収支の真実性について合理的な審査を行い、関連する外貨管理手続を履行し、必要時は国内企業に補充の証明資料を要求することができる。外貨管理局は国外口座の収支情報を国際収支統計等の外貨管理関連用途に用いる。
第十二条 国内企業は経営上の必要に応じて国外預入資金を国内経常取引外貨口座に回収する、または国外口座を閉鎖することができる。国外口座閉鎖前の残高は、国内に回収しなければならない。国内企業は国外口座を閉鎖後、規定の期限内に国外口座開設銀行の口座閉鎖通知書を持って所在地の外貨管理局に備案しなければならない。
第十三条 国内企業グループが国外に預け入れた輸出収入を集中受払する場合、参加メンバー会社の債権債務の管理及び会計記帳業務をきちんと行い、各参加メンバー会社の債権債務状況及び金額を分別しなければならない。
国外に預け入れた輸出収入を国内に回収する場合、メンバー会社は各自の残存金額を対応するメンバー会社の国内経常項目外貨口座に入金する。
第十四条 国内企業は輸出収入国外預入の内部統制制度と内部的ガイドラインに従い、国外口座の資金管理を強化しなければならない。
国内企業は国外口座の収支に関連する取引契約・証憑等の文書を審査に備えて5年間保管しなければならない。
第十五条 外貨管理局は国内企業の輸出収入国外預入業務について非現場監査を行い、異常な状況については現場検査を行うことができる。
第十六条 国内企業に下記の行為が存在する場合、外貨管理局は《中華人民共和国外貨管理条例》の関連規定に従い処罰する。
(一) 外貨管理局の批准なく、無断で国外に口座を開設して資金を預け入れた場合。
(二) 虚偽の資料により国外口座を開設した場合。
(三) 本弁法の規定に違反して国外口座を使用した場合。
(四) 規定による国外口座関連報告または備案情報・資料を提供しない場合。
(五) 規定により国外口座を閉鎖しない場合。
(六) 本弁法の規定に違反するその他の行為。
第十七条 国内企業に本弁法第十六条第(一)・(二)・(三)項に規定する行為が存在する場合、外貨管理局は期限を設けて国外口座を閉鎖し、口座の資金残高を回収するよう命ずることができる。
国外口座開設銀行が《協議》の約定に従い、国内報告銀行を通じて外貨管理局
に情報を提出していない場合、外貨管理局は国内企業にこの銀行で開設した口座を閉鎖し、口座資金残高を回収する、または口座資金を他行指定口座に振り替えるように要求することができる。
第十八条 国内報告銀行が本弁法の規定と《協議》の約定に従い関連情報を報告していない場合、外貨管理局は《中華人民共和国外貨管理条例》の関連規定に従い処罰する。
第十九条 対外貿易経営権を備える個人と保税管理監督区域内の企業には本弁法を適用しない。
第二十条 本弁法は国家外貨管理局が解釈の責任を負う。
第二十一条 本弁法は2010年10月1日より施行を開始する。以前の関連規定と本弁法が互いに矛盾する場合、本弁法を実施する。