中国 中国アジア法令Q&A

非居住者の企業所得税に関する質疑応答(二)

Q. 非居住者企業がコンサルティング役務を提供するため、被雇用者を中国国内に派遣したとき、中国が当該非居住者企業の所属国との間に租税協定を締結していない場合、どのように徴税を行うか?恒久的施設を構成するか否かを区分するか?統一して25%の税率で徴税するか、それとも10%の税率で徴税するか?

A. 中国と租税協定を締結していない国家、地区の企業がその被雇用者を派遣して中国国内でコンサルティング役務を提供させる場合、恒常的に企業所得税法における意味の機構、場所を構成していると言え、当該機構、場所に帰属する所得に対しては企業所得税を納付する必要がある。適用税率は25%、恒久的施設を構成しているか否かを区分しない。

原文

記事の内容は、法規定の変更などにより、現在の状況と異なっている場合がありますのでご留意ください。

Q. 非居住者企業が国内で工程を請負い、契約期間は3年である。しかし実際に中国での作業時間は30日間のみである。非居住者企業が中国で恒久的施設を構成しているか否かを判断する時、どちらの時間を基準とするか、契約期間か、実際の中国での作業日数か?

A. 関連の規定によれば、工程請負が恒久的施設を構成するか否かを判断する場合は、工程請負の持続時間に基いて認定を行う。うち臨時的、或いは季節性の工程停止は、工程持続時間から減算しない。

Q. 新所得税法第十九条では、税法の第三条第三項に所得に該当する範囲を規定し、第二十七条第五項では、上述所得に該当する所得税減免を規定し、実施細則第九十一条では、税法第二十七条第(五)項に規定された所得は減額され、10%の税率に基づき企業所得税を徴収する。
ここで疑問と思うのは、法の第十九条第三項にいう”その他所得”は更に明確されたのか?その中には非居住者企業の派遣者の役務提供所得が含まれているのか?元々源泉企業所得税のみが10%の税率で徴税される、つまり配当金、利益金などの権益性投資収益及び利息、リース料、特許使用権所得、財産譲渡所得などが源泉所得税の徴収範囲に属する。新税法では、”源泉企業所得税”という概念がまだあるのか?この概念があるとしたら、新税法では、”源泉企業所得税”のみ10%の税率に基づき徴税するのか、それとも税法の第三条第三項の規定に基づき、機構、場所を設立していない、或いは機構、場所を設立しているが、これと実際に関係がない所得(役務所得を含む)は全て10%の税率を適用するか?

A. “源泉企業所得税”は一つの税種ではない。非居住者企業が取得した中国国内から源泉した所得に対しては源泉徴収方式が実行され、徴収された企業所得税を指す。この種類の源泉徴収所得範囲には、配当金、利益金、利息、貸出料、特許使用権所得、財産譲渡所得、或いは国務院が規定したその他所得を含む。この種類の所得は、非住民企業が中国で機構、場所を設立していないことによる所得、或いは機構、場所を設立したが取得した所得が当該機構、場所とは関係がない所得に属する。企業所得税法によると、適用の基本税率は20%であるが、企業所得税法実施細則では、優遇という形で税率を10%まで引き下げた。

Q. 非居住者企業が居住者企業のために役務を提供し、且つ全部を国内で提供する。源泉徴収義務者が源泉徴収義務を履行しなければ、税務機関は、非居住者企業に対して税金の追徴が非常に難しいこととなる。実際の操作過程において、国内の源泉徴収義務者に対し、税金を追徴するのか否か?

A. ≪税収徴収管理法≫の関連規定では、源泉徴収義務者が源泉徴収すべき税金を源泉徴収しない場合、税務機関は納税者に対して税金の追徴を行い、源泉徴収義務者に対し、未源泉徴収額の50%以上3倍以下の罰金に処することができる。

Q. 非居住者企業に対しても、現在、確定申告の要求がある。しかし、国税発[2009]6号では、一年未満のプロジェクトは確定申告を要しないことを言及した。ここにいう”一年”とは西暦年度満一年を指すか、それとも累計して満一年を指すかを質問したい。簡単に言えば、一つのプロジェクトは、2008年から2009年まで跨いで続き、一年ずつに7ヶ月を占める場合は、確定申告が必要であるか否か?また、ここにいう時間は、”国内役務発生”時間を指すか否か?

A. ここにいう”一年”は西暦の年度を指す。例のケースは、確定申告が必要である。

Q. ≪非居住者企業工程作業請負及び役務提供税収管理暫定弁法≫(国家税務総局令第19号)では、非居住者企業が中国で倉庫の賃貸を従事する場合は、19号に基づき税務管理を行う。しかし、≪非居住者企業所得税源泉徴収管理暫定弁法≫の通知(国税発[2009]3号)では、国外賃貸料支払いに対し源泉徴収を要求している。我々は国外の家屋所有者に賃貸料を支払いたいが、現在、深セン税務局の税務官らは、当該賃貸料は、中国で10%の源泉企業所得税を納付するか、恒久的施設原則に基づき25%の企業所得税を徴収するのか、不明確であると言っている。当該賃貸料は不労所得であるため、10%の源泉企業所得税を納付すべきであると考えている。

A. 質問にあった国外家屋所有者に支払った家屋賃貸料の性格ですが、当該非居住者が中国国内で機構、場所を設立し、倉庫賃貸役務を提供せず、独立した代理人に委託した管理及び取引を行う場合は、不労所得に該当し、賃貸料収入を10%の税率で源泉徴収する。もし機構、場所を設立し、実際に関係がある賃貸料収入を取得する場合、賃貸料収入は、経営利益とし、25%の税率に適用され、企業所得税を納付しなくてはならない。