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[全訳] 外国投資家による国内企業の合併・買収に係る審査制度に関する規定

商務部公告2011年第53号
商務部の外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査制度の実施に関する規定

【公布部門】中華人民共和国商務部
【文書番号】公告2011年第53号
【公布日】2011-08-25

《国務院弁公庁 外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査制度確立についての通達》(国弁発[2011]6号)及び外商投資に関連する法律法規に基づき、広範に集めた公衆意見の基礎の下、我が部は《商務部 外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査制度の実施に関する事項についての暫定規定》(商務部公告2011年第8号)を完備させ、《商務部の外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査制度の実施に関する規定》を制定した。ここに公布し、2011年9月1日より実施する。

中華人民共和国商務部
2011年8月25日

商務部の外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査制度の実施に関する規定

第一条 
外国投資家が国内企業の合併・買収をする場合に、《国務院弁公庁 外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査制度確立についての通達》の規定により、安全審査の範囲に該当する場合、外国投資家は商務部に合併・買収に係る安全審査の申請を提出しなければならない。

二名若しくは二名以上の外国投資家が共同で合併・買収を行う場合、共同で、または一名の外国投資家(以下、「申請者」という)を確定し、商務部に合併・買収に係る安全審査の申請を提出することができる。

第二条 
地方商務主管部門は《外国投資家による国内企業の合併・買収に関する規定》、《外国投資企業の投資家持分変更に関する若干規定》、《外国投資企業の国内投資に関する暫定規定》等の関連規定に基づいて、合併・買収取引の申請を受理する際に、申請者が商務部に合併・買収に係る安全審査の申請を提出していない場合は、受理を中止し、5営業日内に申請者に対して商務部に合併・買収安全審査の申請を提出するように書面で要求し、同時に、商務部に関連情況を報告しなければならない。

第三条 
外国投資家が国内企業を合併・買収する場合、国務院関連部門、全国性業界協会、同業企業及び上下流企業が合併・買収に係る安全審査を行う必要があると認める場合、商務部に対して安全審査を行うように発議することができ、その場合、発議者に対して、関連情況の説明書(合併・買収の基本情況、国家安全に対する具体な影響等)を提出することができる。商務部は利益関係者に対して関連する説明書を提出するように要求することができる。合併・買収に係る安全審査の範囲に該当する場合、商務部は5営業日以内に発議を連席会議に提出する。連席会議が合併・買収に係る安全審査が必要と判断する場合、商務部は本規定に基づき外国投資家に合併・買収に係る安全審査の申請を提出するように要求する。

第四条 
商務部に合併・買収に係る安全審査を正式に申請する前に、申請者はその合併・買収に係るプロセス性の問題について商務部に協議の申請を提出し、事前に関連状況を協議することができる。その協議の予約は正式な申請のプロセスではなく、協議情況に拘束力と法的効力はなく、正式な申請提出の根拠とはしない。

第五条 
商務部に合併・買収に係る安全審査を申請する場合の提出資料は以下の通りである。

(一)申請者の法定代表者またはその授権代表が署名した合併・買収に係る安全審査の申請書及び取引状況説明書;
(二)公証および法に基づいて認証を受けた外国投資家の身分証明書或は登録登記証明書及び資本信用証明文書;法定代表者の身分証明または外国投資家の授権代表委託書、授権代表の身分証明書;
(三)外国投資家及び関連企業(その実質支配者、一致行動者を含む)の状況説明書、関連する国家政府との関係説明書;
(四)合併・買収される国内企業に関する状況説明書、定款、営業許可証(コピー)、前年度の会計監査を受けた財務諸表、合併・買収前後の組織機構図、投資先企業の状況説明書及び営業許可証(コピー);
(五)合併・買収後に設立予定の外商投資企業に係る契約、定款またはパートナー協議書および各株主が委任する董事会メンバー、招聘する総経理またはパートナー等の高級管理人員の名簿;
(六)持分の合併・買収取引の場合、持分譲渡協議書または外国投資家による国内企業の増資引受に係る協議書、合併・買収される国内企業の株主決議、株主総会決議、及び相応する資産評価報告書を提出すること;
(七)資産の合併・買収取引の場合、国内企業の権力機関または資産権保有者による資産売却同意に係る決議、資産買収協議書(買収予定資産のリスト、状況を含む)、協議書の各関係者についての状況、及び相応する資産評価報告書を提出すること;
(八)外国投資家が合併・買収後に保有する表決権が株主会もしくは株主総会、董事会決議、パートナー事務の執行に与える影響についての説明書、国内企業の経営政策決定、財務、人事、技術等の実質支配権が外国投資家またはその国内外関連企業へ移転することに関するその他の状況説明書、及び上述の状況と関連する協議書もしくは文書。
(九)商務部が要求するその他の文書。

第六条 
申請者が提出した合併・買収に係る安全審査の申請文書に不備がなく、かつ法定の要求を満たしている場合、商務部は書面で申請受理を通知しなければならない。

合併・買収が安全審査の範囲に該当する場合、商務部は15営業日以内に、書面で申請者に告知し、かつ、それから5営業日以内に外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査の部門間連席会議(以下、「連席会議」という)に対して審査を行うように提起する。

申請受理を書面で申請者に通知した日から15営業日以内において、申請者は合併・買収取引を実行してはならず、地方商務主管部門は合併・買収に係る審査・承認を行ってはならない。15営業日以降、商務部が申請者に書面で告知していない場合、申請者は国の関連する法律法規に基づき関連手続を行うことができる。

第七条 
商務部は連席会議の審査意見書を受領後、5営業日内に審査意見書を申請者(または当事者)、及び合併・買収取引管理に責任を負う地方商務主管部門に書面で通知する。

(一)国の安全に影響しない場合、申請者は《外国投資家による国内企業の合併・買収に関する規定》、《外国投資企業の投資家持分変更に関する若干規定》、《外商投資企業の国内投資に関する暫定規定》等の関連規定に基づいて、相応する管理権限を有する関連主管部門で合併・買収取引に係る手続を行うことができる。
(二)国の安全に影響を及ぼす可能性があり、かつ合併・買収手続をまだ実施していない場合、当事者は取引を終了しなければならない。申請者が合併・買収取引の調整、申請文書の修正、かつ再審査を経ていない場合、合併・買収取引を申請・実施してはならない。
(三)外国投資家による国内企業の合併・買収行為が国家の安全にたいして既に重大な影響を及ぼしているまたは及ぼす可能性のある場合、連席会議の審査意見に基づき、商務部は関連部門と共同で、当事者による取引を終了させるか、或は関連する持分、資産を譲渡、またはその他有効的な措置を講じることにより、当該合併・買収行為による国の安全への影響を取り除く。

第八条
商務部が連席会議へ審査を提起後、申請者が申告文書の訂正、合併・買収取引の取消または連席会議の要求に応じた補充提出、資料修正を行う場合、商務部に関連資料を提出しなければならない。商務部は申請報告書と関連文書を受領してから5営業日以内に連席会議に提出する。
  
第九条
外国投資家による国内企業の合併・買収に対しては、取引の実質内容と実際の影響の側面から、合併・買収取引が合併・買収に係る安全審査の範囲に該当するか否か判断しなければならない。外国投資家はいかなる方式によっても合併・買収に係る安全審査を実質的に回避してはならず、これには代理保有、信託、多層的再投資、リース、貸付、協議支配、国外取引等の方式を含むがそれに限るものではない。

第十条 
外国投資家による国内企業の合併・買収が連席会議の審査に提出されなかった、または連席会議が国の安全に影響しないと認めた場合において、それより後に合併・買収取引の調整、関連協議文書の修正、経営範囲及びその他変化(国外実質支配者の変化等を含む)などの状況が発生したことにより、《国務院弁公庁 外国投資家による国内企業の合併・買収に係る安全審査制度確立についての通達》に規定される安全審査の範囲に該当することになった場合、当事者は関連する取引と活動を停止し、本規定により商務部に安全審査の申請を提出しなければならない。

第十一条
合併・買収に係る安全審査に参加する商務主管部門、関連する単位とその人員は国家秘密、商業秘密及びその他秘密保持が必要な情報に対して秘密保持の義務を負わなければならない。

第十二条 
本規定は2011年9月1日より実施する。