中国 企業所得税

[全訳] 企業所得税若干の税務事項の連携問題に関する通知

国家税務総局 企業所得税若干の税務事項の連携問題に関する通知
国税函[2009]98号(原文
2009年2月27日

各省・自治区・直轄市・計画単列市の国家税務局・地方税務局:
《中華人民共和国企業所得税法》(以下、新税法という)及びその実施条例(以下、実施条例という)は2008年1月1日より正式に実施し、新税法第六十条の規 定に従い、《中華人民共和国外商投資企業・外国企業所得税法》と《中華人民共和国企業所得税暫行条例》(以下、原税法という)は同時に廃止された。各地の確定申告業務に便宜を図るため、ここに新税法実施前の企業に発生する若干の税務事項連携問題を以下のとおり通知する。

一、購入した固定資産の残存価額と減価償却年数の処理に関する問題

新税法実施前に使用のため投入した固定資産について、企業がすでに原税法の規定に従い残存価額を見積り減価償却を計上した場合、調整を行わない。新税法実施後、この種の固定資産を継続して使用する場合、残存価額をもう一度確定し、減価償却を計上していない残高について、新税法の規定の減価償却年数からすでに計上した減価償却の年数を除去した後の残りの年数に渡り、新税法規定の減価償却方法により減価償却を計算する。新税法実施後、固定資産に確定した元の減価償却年数が新税法規定の原則に違反していない場合、継続して実施することができる。

二、繰延所得の処理

企業が原税法の規定により繰延所得を認識した場合、その残高は原規定の繰延期間の剰余期間に渡り、継続して各納税期間の課税所得額に均等計上する。

三、利息収入・賃料収入・特許権使用料収入の認識

新税法実施前にすでにその他の方式で当期収入に計上した利息収入・賃料収入・特許権使用料収入は、新税法の実施後、契約約定の支払時期に認識した収入額に変化がある場合、この収入額から過去にその他方式で認識した収入額を控除した後の差額を、当期の収入として認識する。

四、過年度従業員福利費残高の処理

《国家税務総局 2007年度企業所得税確定申告業務に関する補充通知》(国税函[2008]264号)の規定に従い、企業が2008年以前に規定により計上したが未使用の従業員福利費残高について、2008年以降に発生した従業員福利費は、まず上述の従業員福利費残高を相殺減額し、不足部分は新税法の規定により控除する。尚も残高がある場合、継続して以後の年度に使用する。企業が2008年以前に余剰となった従業員福利費で、すでに税前控除し、従業員の権益に属し、用途を変更する場合、企業の課税所得額を増加調整しなければならない。

五、過年度従業員教育経費残高の処理

2008年以前に計上したが未使用の従業員教育経費残高について、2008年以降新たに発生した従業員教育経費は、まず残高から相殺減額しなければならない。尚も残高がある場合、継続して以後の年度に使用する。

六、作業効率給与実施企業の給与準備基金の処理

作業効率給与弁法を実施する企業は、2008年1月1日以前に規定により計上したが、まだ支給・税前控除していない給与準備基金残高について、2008年以降実際に支給する時、実際支給年度に企業所得税前控除することができる。

七、過年度未控除の広告費の処理

企業が2008年以前に原政策規定に従いすでに発生したが未控除の広告費は、2008年の新税法実施後、尚未控除の残高について、当年度新たに発生した広告費と業務宣伝費に加えた後、新税法規定の比率により控除を計算する。

八、技術開発費の加算控除による損失の処理

企業が技術開発費を加算控除して形成された企業年度損失は、以後の年度の所得により填補することができるが、振替年数は最長で5年を超過してはならない。

九、開業費の処理

新税法中、開業費は明確に長期前払費用とされておらず、企業は経営開始の日の年度に一括して控除することができるが、新税法の長期前払費用の処理規定により処理することもできる。ただし一度選択したら、変更してはならない。
企業が新税法実施以後も償却が完了していない開業費についても、上述の規定により処理することができる。

国家税務総局
二〇〇九年二月二十七日