中国 華南ビジネス実務

[華南ビジネス] 加工廠法人化に関する広東省工商行政管理局の指導意見

加工廠法人化に関する広東省工商行政管理局の指導意見

7月7日付で広東省工商行政管理局から発布された、粤工商企字[2009]317号「《工商の機能を充分に発揮し、“三来一補”企業の転換と向上を全力でサポートすることに関する指導意見》を印刷配布する通知」では、2012年までに、法人化を基本的に完了することをあらためて明記し、加工廠の法人化に関する登記手続きの簡素化、或いは従来規定の緩和措置を打ち出しました。規定の内容は以下の通りです。

1.“三来一補”企業が転換して法人となる際に、外商投資企業としてもよく、或いは元の来料加工契約の中方が株主となり内資企業として登記しても良いというものです。内資企業としての登記後、加工組み立て業務を受注してもよく、登記変更申請により経営範囲に「xx製品の加工組立」と付け加えても良いとされています。登記形体を内資企業として明確にし、外国企業との加工契約を締結することが想定されています。

2.工商局における登記を通じ、営業許可証を取得するわけですが、通常はこの営業許可証取得の前に、製造業であれば必要とされる環境関連許可、衛生関連許可等があります。この通知により、これらの事前認可は1年有効の営業許可証を取得した上で手続きすればよいとされました。1年有効の営業許可証には「企業法人資格の証拠とするのみで、経営活動に従事してはならない」という文字が記載され、各種手続き終了後にあらためて正規の営業許可証を取得することができます。

3.工商局では通常、同一場所に複数の企業の登記を認めませんので、従来通りであれば来料加工廠の住所に法人を重ねて登記することはできませんが、加工廠法人化促進に伴い、同一の登記住所にてまず法人を登記することが可能となりました。法人登記後、1年以内に設立認可申請や、“三来一補”企業の登記抹消を含め、行わなければならないとされ、1年経っても終了できない場合には書面申請によりさらに1年延期することができます。

4.社名についても、同一屋号が認められないのが通常ですが、来料加工廠の法人化において屋号と業種を変えずにそのまま保持してもよいとされています。

5.法人は“三来一補”企業と異なり、払込の期限や現物の出資比率の制限があるのですが、この通知によると、三来一補から法人となる場合、初回の払い込み期限を設けず2年以内に全額を払い込めばよいとすること、また、貨幣と非貨幣(現金以外の現物、知識所有権などによる投資)の出資比率の制限を設けないとし、また登記に関する行政費用も、一律に変更手続きとしての費用標準により支払うこととしています。

6.登記の際はまた、消防、環境などの、経営主体に対してではなく、経営場所に対して発行される認可証の提出が必要ですが、増築、改装が無く、住所に変更が無い場合、元の証書をそのまま用いてもよく、住所に変化が無い場合には住所証明の提出を免除するとされています。

三来一補企業の比較的多い深圳、東莞、恵州などでは、政策紹介を行い、企業の政策に対する理解を深める努力を行うこと、また、各市の工商局では法人化への対応を重視し、企業への便宜を図ることが明記されています。

(以上)