中国 華南ビジネス実務

加工貿易貨物の内販について(2)

hamada-kanan

加工貿易企業の内販手続きの一般的な手続き手順は、商務部門への申請、内販批准証の取得→管轄税関にて納税→販売 となっていることを前回紹介しました。 今回は、内販を促進するために広東省各地で採られている手続き制度を紹介します。また、前回説明した、納税時に支払う延滞利息の率が引き下げられた規定に 続き公布された関連の新規定について説明します。

「先销后税、集中申報」

内販は、通常、内販の認可取得後、対応する原材料の関税・増値税と、延滞利息を支払った後に内販できることになっていますが、深圳税関では、国内販売に対する手続き取扱いとして、「先销后税(先に販売し、後に納税する)」及び「集中申報(集中申告)」を実施して、加工貿易貨物の内販業務に対する便宜を図っています。これは、税関への申請認可を経た後、国内販売を実施し、当月の販売製品分を一括して納税手続きするものです。
ネットワーク企業、AA類企業及び有効な担保を提供できるA類企業のみ、このような手続きを申請することができます。1年に1回税関に申請が必要で、保税材料或いは製品の販売について、出荷の都度《保税加工貨物内販“集中申報”出荷記録表》を記入し、当月或いは遅くとも次月15日までに一括して納税手続きを行うことができ、納税のタイミングを最長1カ月程度まで遅らせることができます。
但し、企業のなかで、脱税・違反に関わり、税関より立件され調査を受けた或いは受けている企業や、税関からの改善要求に対し改善中である企業、手冊期間を過ぎて核銷を行っていない企業、税関により監督管理リスクが高いと見なされる企業などは、このようなオペレーションが認められないとされています。
東がん市において2008年より、A類企業100社に対し内販後納税の方式を試験的に行っており、昨年は外資系企業の内販売上高が増加し効果が得られたとして、広東省全域で実施する計画があるとの報道も行われています。

内販時 延滞利息の徴収と還付についての新規定

内販時の延滞利息の利率が引き下げられた規定(税関総暑公告2009年第13号)に続き、利息の徴収と還付についてあらためて14号公告が発布されました。前回説明した内容以外の点について、以下の通り規定されています。
①加工貿易保税貨物が規定の有効期限内(延長認可後の期限を含む)に全て輸出された場合、税関の通知により中国銀行は保証金及び普通預金利息を全て返還する。
②加工貿易保税材料或いは製品を内販する場合、関連の税金を支払い、且つ延滞利息を支払う。
延滞税の計算期間は、開始日を内販予定の保税材料或いは製品の対応する加工貿易手冊における、初回の輸入日とします。手冊が複数にわたる場合、直近の手冊の初回輸入日となります。終了日は、内販日或いは税関の内販申請認識日とされています。
規定に違反して内販した場合、利息の徴収に加え、滞納金の支払いを行うことになります。
保証金台帳の実転管理を行っている加工貿易手冊下の保税貨物について、内販納税手続きを行う場合、税関の徴収する延滞利息が台帳保証金の利息より大きい場合、中国銀行より税関税金納付書に書き込みを行って返却し、税関はあらためて、2部の納付書を発行するとされています。1部は、台帳保証金利息全額を延滞利息に振り返るもので、もう1部は不足分に対する納付書となります。
内販が可能な企業に対し、税関より内販の決定を行い、《加工貿易貨物内販徴税連絡表》を発行して関連意見を記述し企業に渡します。その後企業が通関手続きを行うこととなります。
(以上)