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[華南ビジネス] 加工貿易貨物外注加工の規制緩和実施について
加工貿易の外注加工業務とは、加工貿易を行う企業が、税関の許可を得て、外部の工場に自社の加工貿易貨物の加工を委託し、一定期間内に返却させて自社より最終的に輸出する活動で、現行では税関総署第195号令「加工貿易貨物に対する監督管理弁法」に規定されています。
税関総署及び広東分署において加工貿易の付加価値向上や通関業務の簡便化が図られる中で、外注加工業務はその規制緩和がこれまで何度か行われてきました。特に、広東省内の税関区を越えて行う外注加工業務に対し納付する保証金の免除等が検討されていましたが、2012年5月15日より各区税関の下で実施されることとなりました。加工貿易を行う企業は、外注加工、保税品の内販手続き等の規制緩和等により、より柔軟な生産体制が取れることが期待されます。具体的な実施方法については各主管税関に問い合わせる必要がありますが、規定の内容を下記に紹介します。
(1)審査認可を一定期間中に一括して行う「集中審査認可」(原文「集中审批」)方式を、加工貿易企業の所在地主管税関が審査同意した、B類及びB類以上の企業に適用し、これらの企業の外注加工申請手続き業務の負担を軽減します。
該当する企業は、各種の申請表、受託企業の生産能力状況説明、屑材、不良品等を含む加工後の貨物を返却しない場合の説明書等の関連資料を揃えて申請に提出します。
(2)主管税関の審査認可を経て、広東省内で税関区を越えて外注加工を行う以下の経営企業
は相応の保証金の納付或は銀行保証状の提出を免除することができます。
- ネットワーク監督管理企業及び、非ネットワーク監督管理のAA類、A類企業
- 信用度が良好な非ネットワーク監督管理のB類企業
但し、次のような場合は依然として保証金の納付或は銀行保証状の提出が必要としています。
- 全ての工程を外注する場合。
- 外注加工後の貨物が企業に返却されず、直接輸出される場合。
- 経営企業或は受託企業が密輸、規定違反に関わり、税関の調査が実施され案件が未了であるが、申請する外注加工貨物はこれに関わっていない場合。
- 省を越えて外注加工業務を展開する場合。
- 上述2. 以外のB類企業が広東省内で税関区を越えて外注加工を展開する場合。
(3)更に次のような場合には、外注加工は認可されません。
- 委託企業及び受託企業の生産管理が税関の監督管理要求に合わない場合。
- 申請する外注加工貨物が税関の調査対象で案件が未了である場合。
(4)加工貿易の外注加工を行う企業は、外注加工を実施した後、次の書類を揃えて主管税関へ外注加工の状況を報告する必要があります。
- 外注加工貨物の加工状況及び加工後の貨物、くず材、余剰材料、不良品等の処理状況
- 《加工貿易外注加工貨物集中審査認可貨物リスト》
- 税関が要求するその他の資料