中国
[全訳] クロスボーダー人民元建て直接投資に関する問題についての通達
(原文)
【公布部門】中華人民共和国商務部
【公布番号】商資函[2011]第889号
【公布日】2011-10-12
各省・自治区・直轄市・計画単列市・新彊生産建設兵団及びハルピン・長春・瀋陽・済南・南京・杭州・広州・武漢・成都・西安商務主管部門、国家級経済技術開発区・辺境経済合作区:
新たな情勢への発展に適応し、投資の利便化を促進、更なる外資の利用を進めるため、外商投資法律法規等の関連規定に従い、クロスボーダー人民元建て直接投資の関連事項について以下のように通知する
一、本通達の“クロスボーダー人民元建て直接投資”とは外国投資者が合法的に得た国外の人民元を使用して法律に基づき中国において直接投資活動を行うことを指す。
二、本通達の国外人民元とは以下のものを指す:
(一)外国投資者がクロスボーダー人民元建て貿易決済により取得した人民元、並びに中国国内から法律に基づき取得しかつ国外へ持ち出された人民元利益及び持分譲渡、減資、清算、投資先行回収により取得した人民元;
(二)外国投資者が国外の合法的ルートで取得した人民元、これは国外発行の人民元建て債券や人民元建て株式発行等の方式で取得した人民元を含むがそれに限るものではない。
三、クロスボーダー人民元建て直接投資及び外商投資企業による再投資は外商投資に係る法律法規及び関連規定の要求に基づき、国家外商投資産業政策、外資による合併買収安全審査及び独占禁止審査に関連する規定を遵守しなければならない。
四、クロスボーダー人民元建て直接投資は中国国内にて直接的又は間接的に有価証券や金融派生商品(本通達第十一条の規定を除く)への投資や、委託貸付に用いてはならない。
五、各級商務主管部門は現行の外商投資に係る審査承認管理規定に基づき、クロスボーダー人民元建て直接投資の審査承認を行う。投資家又は外商投資企業は外商投資の法律法規及び関連規定に基づいた関連文書を提出する以外に、商務主管部門に以下の文書を提出しなければならない。
(一)人民元資金の出所説明書又は証明文書
(二)資金使途の説明書
(三)《クロスボーダー人民元建て直接投資状況表》
クロスボーダー人民元建て直接投資によりもとの出資通貨を外貨から人民元に変更する場合、商務主管部門へ報告申請し承認を受けるとともに、上記資料のほか、董事会等の企業最高権力機関の決議書や変更後の契約書及び定款(又は変更協議書)を提出しなければならない。
六、地方商務主管部門は《クロスボーダー人民元建て直接投資状況表》を外商投資審査承認管理システムに入力し、以下の状況で行われるクロスボーダー人民元建て直接投資に対しては、《クロスボーダー人民元直接投資状況表》に署名押印後、省級商務主管部門を通じ商務部へ報告して審査を求めなければならない。
(一)人民元出資額が3億又は3億人民元以上
(二)融資保証、ファイナンスリース、小口貸付、競売等の業種
(三)外商投資性公司、外商投資ベンチャー投資又は持分投資企業
(四) セメント、鉄鋼、電解アルミ、造船等の国のマクロコントロールに関係する業種
七、商務部は省級商務主管部門が送付した《クロスボーダー人民元建て直接投資状況表》を受領後、5営業日以内に審査を完了又は審査意見を提出する。審査を通過した場合、地方商務主管部門はその承認を伝え外商投資企業に外商投資企業批准証書を交付することができる。
八、各級商務主管部門はクロスボーダー人民元建て直接投資の承認回答に“国外の人民元による出資”の文言、出資金額及び本通達第四条の要求を明記し、外商投資企業批准証書の備考欄に“国外の人民元による出資”の文言及び人民元出資金額を注記しなければならない。
九、各級商務主管部門はクロスボーダー人民元建て直接投資の承認回答文書の写しを速やかに同級の人民銀行、税関、税務、工商、外資等の部門に送付しなければならない。
十、不動産業のクロスボーダー人民元建て直接投資は、現行の外商投資不動産に係る審査承認や届出管理の規定に基づき執行しなければならない。届出が通過した場合、商務部は商務部ホームページ(www.mofcom.gov.cn 外資司サブページ“結果公開”欄)において公示し、外商投資企業は商務部ホームページ上の公示情報(登録ホームページ調査)や、商務主管部門の承認回答文書及び外商投資企業批准証書を基に関連管理規定に従い審査承認手続を行わなければならない。
十一、外国投資者による合法的に取得した国外人民元を使用して国内上場企業の第三者割当増資や株式譲渡協議に参与する場合は、《外国投資者の上場企業に対する戦略投資に係る管理弁法》の要求に基づき商務部へ関連審査承認手続きを行わなければならない。
十二、外国投資者が中国国内の投資先外商投資企業から取得したが、まだ国外に払い出されていない人民元利益及び持分譲渡、減資、清算、投資先行回収により取得した人民元で直接投資を行う場合は、現行の関連規定に基づき執行する。
十三、各級商務主管部門は外商投資合同年度検査の際に、クロスボーダー人民元建て直接投資に対して、本通達第四条を参照し検査を実施しなければならない。
十四、台湾、香港及びマカオ地区の投資者がクロスボーダー人民元建て直接投資を行う場合は、本通知を参照して取り扱う。
十五、クロスボーダー人民元建て直接投資の業務統計に関する要求は別途通知する。
十六、本通知はこの公布日より実施され、これ以前のクロスボーダー人民元建て直接投資に関する商務部の規定と本通達に相違がある場合は、本通達を有効とする。
クロスボーダー人民元建て直接投資の規範的かつ健全な発展推進のため、各省級商務主管部門には本通知の要求を各地区各級商務主管部門に伝え、かつ審査許可の監督管理を強化しなければならない。執行中に問題が生じた場合、速やかに商務部(外資司)へ連絡し関連状況を報告すること。
附属文書:クロスボーダー人民元建て直接投資状況表
中華人民共和国商務部
2011年10月12日