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[華南ビジネス] 恵州の加工貿易転換政策(1)

恵州市の2010年6月頃の時点の来料加工企業数は768社とされています。2012年までに来料加工契約或は営業許可証期限が満了になる623社の内、2010年期限満了の企業が163社、2011年満了が220社、2012年期限が240社とされています。また同時点で進料加工企業は2603社ということです。2010年1-11月では118社の来料加工工場が法人化したとの報道もあります。

広東省は粤府(2008)69号文書により2012年には法人格を有しない来料加工工場の転換を基本的に完成することを目標に掲げていますが、これに沿って恵州市でも惠府弁〔2010〕37号《恵州市 加工貿易転換アップグレード業務方案(2010-2012年)》通知を発布し、2012年までに全市の来料加工企業が基本的に独立法人格を有する外商投資企業か其他の類型の企業に転換し、進料加工企業が設備及び技術改造を通じ、自主ブランドの創造、付加価値工場、国内販売等を展開し、労働密集型で加工業務のみの単一機能型から、ハイテク・高付加価値を志向し自社で受注するなど機能を向上し、汚染・エネルギー消耗度の高い企業の移転及び淘汰を進めるという方針を明確化しています。

市外経貿局は《惠州市来料加工企業同一場所の生産を停止しない法人化業務フローと手引》を作成し、各機関をリードして法人化手続きの便宜を図り、市内各地、各県、各区園区などで説明会を開くとし、今後の法人化企業の監督と法人化の進捗確認を行うとしています。また、深セン税関の隷属税関である恵州税関、恵州港税関、恵東税関は、深センに習い2009年末より加工貿易総合管理情報プラットフォームを構築し、電子化手冊を普及し、加工貿易契約の申請・備案業務の効率化を測っています。

同市はまた、自主ブランド、技術刷新、設備更新等に対する借入利息補助、加工貿易企業の国内販売に対する奨励金、地区本部や研究開発に対する奨励金等の各種の財政支援も計画しています。

上述の市の法人化促進業務計画スケジュールは、2010年より3段階に分けられており、制度構築段階を経て、現在は説明会等により法人化を促進しフォローアップが行われており、2012年末には加工貿易転換業務の新たなステップを迎えることを目指しています。

(以上)