中国 粤港澳大湾区

中国・深圳市製造業企業コスト軽減の若干措置の通知

深圳市人民政府弁公室は2023年11月27日、世界をリードする重要な先進製造業センターの建設を加速させるため《深圳市製造業企業コスト軽減の若干措置》を公布した。これには、製造業企業の工場棟、雇用、融資、物流、エネルギー、サービスの6つの主な面に関わる合計20の具体的な措置が含まれ、具体的な責任組織機構を指定して実施の便宜及び企業の利益を図るとしている。 具体的には以下の通りである。

一、工場用地コストの削減

1.秩序ある「工業建築」を推進する。

”上階”の軽量化製造、カスタマイズされた小ロット生産、柔軟な研究開発と設計などの戦略的新興産業の企業に適した、競争力のある低コストの工業スペースを提供する。

2.工業工場棟の賃貸市場の監督を強化する。

不動産所有者が賃借人と長期リース契約を締結することを奨励し、一定規模以上の製造業と5年以上のリース契約を締結する場合、契約発効前の最初の3年間は、不動産所有者に契約賃料の1%、年間10万人民元までの報奨金を支給し、賃貸人による違法な料金値上げを取り締まる。

3.重点産業プロジェクトの国有地供給価格の分割払い方式を推進する。

二、労働コストの削減

4.労働生産性向上のための企業支援
製造業企業に対し、技術改造と設備更新を通じて労働生産性を向上させることを奨励し、条件を満たす技術改造に対しプロジェクト分類、等級付けに応じて支援する。

5.企業に自動化を奨励する。
条件を満たす智能化改造プロジェクトに対し一定の基準の補助金を支援する。

6、保障性住宅の計画と建設を加速する。
新規建設工業団地での寮型保障賃貸住宅の建設を奨励し、工業団地内の工業プロジェクトの管理事務所と生活サービス施設の床面積の上限を30%に引き上げる。

7.保障賃貸住宅供給の適正化
原則として、製造業企業に割り当てられる保障賃貸住宅の比率は、管轄内のGDPに占める製造業付加価値の比率を下回ってはならず、重点製造業企業および主要先進製造業プロジェクトに対する住宅保障を強化する。

8、雇用サービス保障を強化する。
重点製造企業に対して雇用サービス委員による「1対1」のサービスを提供する。「産学共同」などの方法で、複合型人材育成と供給を増大させる。医療保険費の段階的軽減として、企業従業員の基本医療保険一級の企業納付比率を5%に引き下げ、フリーランス就業者の保険料率を7%に引き下げる。

三、融資コストの削減

9.ピンポイントで企業融資を支援する
「信易貸」、深圳信息(信用調査)サービスなどのプラットフォーム、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの利用をより良く活用して中小企業の資金調達難を解決する。

10.製造業企業の社債発行による資金調達の奨励
国内外の債券発行に成功した一定規模以上の製造企業に対し、発行規模の2%に応じて最高50万元の補助金を支給する。

11.製造業企業のエクイティファイナンス拡大を支援する。
製造企業がエクイティファイナンスを拡大することを奨励方式によって支援する。

四、エネルギー消費コストの軽減

12、エネルギー消費コストの軽減
10kV以下の中小零細企業のため高圧永久電力外部電源アクセスプロジェクトを建設する際、利用者の投資を不要とする。天然ガスの使用を新規申請した製造企業の利用者のために赤線外パイプライン天然ガスアクセスプロジェクトを建設する際、利用者の投資を不要とする。

13、工業園区の電力供給の転換を引き続き推進する。
工業団地の電力供給転換作業の完成を加速し、電力供給段階の「中間層」の不合理な値上げ行動を排除する。

14、工業団地のユーザー側エネルギー貯蔵を促進する。
“光貯蔵充放電 “統合プロジェクトの建設を奨励し、土地計画、建設許可等の審査許可段階の支援を強化し、実際の投資額の一定比率で補助金を支給する。

五、倉庫物流コストの軽減

15、航空輸送の直行及び中継サービス能力を高める。
深圳市の産業や、緊急的に企業の海外進出特需のある戦略的国際貨物ルートを、航空会社が新規開通或いは増便することを補助金方式により奨励する。

16、主要な産業チェーンの企業やプロジェクトのための物流と倉庫の保障を強化する。
主要な産業チェーン企業とプロジェクト周辺の非効率的な物流倉庫を拡張、改築することにより、高基準物流倉庫への再構築を奨励する; 改造後の倉庫を主要な産業チェーンの企業に優先的に賃貸することをサポートする。

六、業務サービスの改善

17、支払い滞納の常態化防止と処理のメカニズムを改善する。
中小零細企業の支払い滞納処理、特に政府機関、事業単位、国有企業の中小零細企業への債務を重点的に処理する。

18、仲介サービスの処理と規範化
仲介サービス業務のリスト管理を実施し、取り消された行政認可を仲介サービスに転換してはならず、指定仲介機関による業務の独占と行政機関による仲介業務への干渉を是正する。

19、行政執行検査を厳格に規範化する。
企業の信用検査と法律執行検査の連携を強化し、原則として、信用記録が良好な企業の検査を率先して行わない。

20、企業やプロジェクトの保障サービスをしっかり行う。
企業メカニズムや「深i企業」プラットフォームをフルに活用し、企業の要求の協調解決を常態化する。市町村の指導者によって、サービスの基幹企業や主要なプロジェクトについて企業の訴えを協調解決する。

この政策措置は2024年1月1日より施行し、有効期限は2026年12月31日(具体措置に明確な期限がある場合、その期限)とする。国家、広東省に関連規定がある場合、その規定に従う。