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[M&A] 電能実業、株主が香港電灯の分離上場を承認
長江実業グループのインフラ部門、長江基建(CKI)の関連企業で、電力持ち株会社のパワーアセッツ・ホールディングス(電能実業)は6日、同日開催した臨時株主総会で、香港島とラマ島に電力を供給する傘下の香港電力事業部門、香港電灯(ホンコン・エレクトリック)の分離(スピンオフ)・上場計画が承認されたと発表した。99.7%を上回る株主が同計画に賛成した。
7日付香港各紙によれば、パワーアセッツは同日、新規株式公開(IPO)に向けプレマーケティングを開始した。公式の投資家向け説明会は来週実施し、公募価格の発表は今月22日、香港取引所(HKEX)への上場は29日となる見通しだ。資金調達額は最大444億HKドル(約6,000億円)に上るとみられ、香港でのIPOとしては、2010年10月に204億米ドル(約2兆円)以上を調達したアメリカン・インターナショナル・アシュアランス(AIA)の上場時以来の最大規模となる。
同計画ではステープル証券方式を採用し、分離上場完了後にはパワーアセッツはこのうち30~49.9%の権益を保有する。上場日から今年末までの投資家への配当利回りは5.5~7.26%としている。
臨時株主総会後、パワーアセッツの霍建寧(カニング・フォック)会長は、わずかな少数株主が反対しているものの、経営陣は同計画がもたらす利益について説明したとコメント。だが市場の見方は分かれており、長期投資家の多くが1株当たり利益の希薄化について懸念を表明している。(NNA.ASIA)