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[M&A] 華潤創業とテスコが合弁、中国小売店を統合
香港上場の中央政府系コングロマリット、華潤創業(チャイナリソーシズ・エンタープライズ)は2日、英小売最大手のテスコと合弁会社を設立すると発表した。両社が中国本土などに持つ計3,000店以上の小売店を合弁会社に注入する。華潤創業が合弁会社の8割株を得て、主導権を握る。テスコは中国大手と手を組むことで、中国事業の収益改善などを図る狙いとみられる。
テスコは華潤創業の小売事業を手掛ける全額出資の持ち株子会社に現金43億2,500万HKドル(約545億円)と中国の全店舗資産を注入。2割株を得て合弁化する。当局の承認などを経て、早ければ来年上半期(1~6月)に手続きが完了する見通し。
合弁会社は両社が持つ大型スーパーマーケットやコンビニエンスストア、酒類専売店などの小売店を運営する。テスコは現時点で中国本土に大型スーパーマーケットとショッピングセンターを計134店展開。華潤創業は本土や香港で手掛ける各種小売店約4,400店のうち、「華潤万家」などの約2,990店を合弁会社に注入する。3日付中新網によると、2社の資産合併で売上高は100億英ポンド(約1兆6,000億円)規模になるとみられる。合弁会社は設立から7年後の上場を目指す。
テスコの中国本土進出は2004年。ただ経営モデルが中国市場に合わないなど苦戦しており、進出以来赤字経営が続いているとされる。華潤創業を通じた事業展開で、黒字化を急ぐ考え。
市場調査大手の英ユーロモニターなどによると、総合スーパーマーケット(GMS)の中国市場規模は12年に5,743億元(約9兆2,000億円)。今年第2四半期(4~6月)の市場シェアは華潤万家が6.8%で中国2位、テスコ(楽購)が2%で7位だった。テスコは前年同期の2.1%からシェアを落とした。合弁後は1位のシェアに躍り出るとみられる。
華潤創業は、国有資産監督管理委員会(国資委)直属の中央企業である華潤集団の中核子会社。今年8月には華潤創業の黎汝雄最高財務責任者(CFO)が、香港ハチソン・ワンポア・グループ傘下のスーパーマーケットチェーン「パークンショップ(百佳)」の売却入札に応札したことを明らかにした。(NNA.ASIA)