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[M&A] アサヒ、豪投資会社を提訴:NZ社買収で財務情報に誤り

アサヒグループ・ホールディングスは14日、豪プライベート・エクイティー企業のパシフィック・エクイティ・パートナーズ(PEP)とユニタス・キャピタル(UC)が、アサヒに対して誤った情報を提供したとして、メルボルン連邦裁判所に提訴したことを明らかにした。PEPとUCは、アサヒが2011年にニュージーランド(NZ)のアルコール飲料メーカーのインディペンデント・リカー(IL)を買収する際、実際とは違った財務情報を提供したという。

アサヒ側はILの買収交渉の中で、売却額を算定するための情報として、PEPとUCから、税・利子・減価償却・特別損益調整前利益(EBITDA)などの財務情報の提供を受け、11年9月に15億NZドル(約1,186億円)でILを買収。その後アサヒが行った財務調査により、EBITDAなどが、PEPとUCから受けた情報よりも少なかったという。

広報担当者はまた、正確な情報が提供されていた場合でも買収したかどうかについてはコメントを避けた。

■アサヒ「今後も事業を拡大」

アサヒはILの買収当時、海外事業の拡大を狙っており、ILの買収後、同社の主力商品の一つであるアサヒ・スーパー・ドライの生産を、ILのメルボルン工場に切り替えている。スーパー・ドライはそれまで、豪アルコール飲料大手フォスターがライセンス生産を行っていた。

豪連邦政府は11年に清涼飲料水とアルコールを混ぜたアルコール飲料(通称アルコポップ)への物品税を引き上げており、ILはアルコポップの販売価格を30%値上げし、同製品の売り上げが落ちていたという。

アサヒはオセアニア地区で、豪アサヒを地域統括会社とし、オーストラリア2位の飲料会社シュウエップス・オーストラリア、アサヒ・ビバレッジズ・オーストラリア(旧P&Nビバレッジズ・オーストラリア)、水専業会社マウンテンH2O、NZ飲料会社チャーリーズ・トレーディング・カンパニー、ILなどの5社を一体運営している。広報担当者は「傘下の5社をオセアニアの基盤として、今後も事業を拡大していく」としている。(NNA.ASIA