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[M&A] 台湾の工作機械大手、円安受け日本の同業買収を加速
日本銀行による追加の金融緩和策を受けて円安が加速する中、台湾の工作機械大手が、相次ぎ日本の同業を買収する計画を進めているもようだ。円安で日本製品の競争力が上昇する一方、買収コストが下落するチャンスとみて、「メード・イン・ジャパン」製品を傘下に収め、自社の競争力を引き上げる狙い。4日付経済日報が伝えた。
友嘉実業集団(フェアフレンド)の朱志洋総裁はこのほど、同社が既にボーリングマシンや横型マシニングセンター、旋盤などを手掛ける日本の同業3社と買収について交渉中だと明らかにした。朱総裁は「来年上半期には結果を出せる」とみている。日本の製品は競争力の高さに加え、多くの国・地域で関税減免の対象になるなど、メリットが多いという。
友嘉はこれまで、プリント基板用のNCCドリリングマシーンなどを手掛けるタケウチ、旋盤や産業機械の池貝など、日本をはじめとする海外のメーカーを合併・買収(M&A)で次々と傘下に収めている。友嘉の担当者はNNAに対し、今後の買収について「現時点で言えることはない」とのみコメントした。
機械要素部品大手、上銀科技(ハイウィン)も日本での企業買収を検討中。卓永財董事長によると、候補先の企業と既に交渉を始めており、来年にも詳細が固まる見通しという。
このほか程泰集団も日本の同業1社の買収を計画している。楊徳華董事長は「日本の工作機械業界の景気は上向いている」と述べた上で、日本に今後、生産拠点を設ける計画があることも明かした。
機械産業の業界団体、台湾機械工業同業公会(機械公会)の徐秀滄理事長は「日本の追加金融緩和は台湾の工作機械産業に不利に働くが、見方を変えれば日本企業を買収するチャンスでもある」と指摘。「このほど出席した日本国際工作機械見本市(JIMTOF2014)の会場でも、買収に意欲を示す台湾企業は多かった」と述べている。(NNA.ASIA)