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[M&A] SBIが香港上場廃止
SBIホールディングス(SBIHD、東京都港区)は4日、香港取引所(HKEX)メーンボードに上場している香港預託証券(HDR)を6月25日付で上場廃止にすると発表した。預託証券の普通株式への転換が進んだことや「アジアでの知名度向上という目的が達成された」ため。日本企業の本体としては初の香港上場と注目されただけに、今後日本企業による上場にどのような影響を与えるか注目される。同日の臨時取締役会で決議した。普通株式の東京証券取引所市場第一部への上場は継続する。
同社は香港での上場廃止について、アジアでの知名度向上によるビジネス拡大という上場当初の目的が達成されたと説明。2011年4月の香港上場以降、中国本土やインドで投資ファンドを設立したほか、上海自由貿易試験区ではインターネットを駆使した金融事業を現地パートナーと共同展開すべく準備を進めるなどしている。
また預託証券の普通株式への転換が進み、残高は今年1月末時点で1,218,500HDR(預託株式数12万1,850株、1月31日終値ベースでの時価総額は約1億7,400万円)となり、預託株式数の発行済み株式総数に対する割合が上場時の9.1%から0.05%へ大幅に下がったことから、上場を維持する意義が失われつつあると判断した。上場廃止による株主・投資家への影響、同社連結業績への影響は軽微としている。今後他の海外市場で上場する可能性については、「現時点では何も決まっていない」(SBIHD広報担当者)。
SBIは日本に本社を置く企業として初めてHDRを香港に上場。翌12年8月にはパチンコホール運営大手で、日本では未上場のダイナムジャパンホールディングス(東京都荒川区)、13年12月にはジャスダック上場のデジタルガレージ(渋谷区)の香港子会社で、オンライン決済業務などを手掛けるイーコンテクスト・アジアが上場するなど、数こそ少ないものの、毎年コンスタントに上場が続いている。(NNA.ASIA)