総経理のための会計&IT入門

情報のバランスシート再構成法

今年も残すところあと二ヶ月。そろそろ、この一年間に皆さんが扱ってきた膨大な量の情報を見直す時間を取ってみてはいかがでしょうか。会計のバ ランスシートの構造を使うと、ストックされた情報の全体像をつかみながら、各部分を点検して全体を再構成することができます。頭の中をスッキリさせて、効 率よく仕事をしていきましょう。

バランスシートの左側に位置付けられる情報(資産)は、自分の知識となっている部分(資本)とそれ以外の部分(負債)に分けることができます。負債部分には、本や雑誌など紙ベースのもの、コンピュータのハードディスク上に保存されているもの、及びインターネット上に存在するものに大きく分けられます。

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コンピュータやインターネットの発達によって、情報のバランスシートは肥大化し、負債比率は高まる一方です。これがいわゆる「情報の波に飲み込まれてしまった」状態です。情報のバランスシートを点検して、情報の自己資本比率を健全な状態に戻すことが必要になってきます。

ネット上の情報から点検していくことにしましょう。ブラウザのブックマークを改めて見直してみてください。何のために「お気に入り」にしたのか、今となっては不明なブックマークはすぐに削除(必要ならあとで検索する)、ニュース系の情報はRSSリーダーに登録してブックマークは削除、一部分だけ必要な情報であればGoogleノートブック(1) などのスクラップブックに転記してブックマークは削除、これだけでだいぶスッキリするはずです。あとで見ようと思って見ていない情報を思い切って処理してしまうことが大切です。

ハードディスク上の情報は、時系列でフォルダ管理し、古いものから圧縮してCDやDVDにバックアップして削除、必要のないソフトウェアはアンインストールして、ハードディスクにデフラグ(2) をかけておきます。メモリの価格が手頃になってきていますので、この際増設しておくとよいでしょう。より根本的な解決を望まれる場合は、Windowsを再インストールしてみてください。

ハードディスクは基本的に消耗品であると考えて、バックアップなどの対策を取っておいた方がよいと思います。近年はハードディスク上からネットワーク上に情報が移動し、コンピュータはブラウザを通じてネットにアクセスする「端末」としての使われ方をし始めていますが、メールやスケジュール、共有文書などの情報をネットワーク上に移してしまうのもひとつの方法です。

そして、ネットで本を注文できるようになってから、いつか読もうと机の上に置いてある大量の本。これも情報の自己資本比率を低下させる原因となっています。おすすめは、読書記録をつけて、年間に何冊の本を読めるのかを把握しておくことです。これでAmazonの注文ボタンを押す手にプレッシャーがかかり、本を選ぶ目が厳しくなってくるはずです(それでも懲りずにまた注文してしまうのですが‥)。

以上を参考に、面倒だけれども少しだけ時間を取って、情報のバランスシートを見直してみてはいかがでしょうか。仕事の効率が格段にアップするはずです。

名前 URLまたは 使い方
(1)Googleノートブック http://www.google.com/notebook/
(2)デフラグ スタートメニューより「(すべての)プログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」→「(ディスク)デフラグ」