中国
中国大陸と香港の往来再開(2023年1月アップデート)
中国のゼロコロナ政策の終了に伴い、1月8日より正式に香港と大陸間の通関が再開しています。
元々広東省には香港・マカオとの間に9か所の陸路イミグレーションがあり、コロナ期間中も一部イミグレーションの改造工事等を行っていたようです。以下はイミグレーションの名称となります。
深圳税関管轄
- 沙頭角:陸路
- 蓮塘:陸路
- 羅湖:陸路(鉄道)
- 文錦渡:陸路
- 落馬洲(皇崗):陸路
- 深圳湾:陸路
- 福田:陸路(鉄道)
※高鉄(2018年9月開通)のイミグレーションは香港の西九龍駅にある。
珠海の拱北税関管轄
- 拱北:陸路
- 香港マカオ大橋珠海公路口岸(香港マカオ大橋は2018年10月開通)
このほか、横琴、青茂、珠海マカオクロスボーダー工業園区のイミグレーションもある。
香港政府の大湾区HPの記載によると、2019年時点の陸路イミグレーションにおける往来の実績は、年間延べ2億3600万人、1日当たり64万人超とされ、別途、2018年9月に開通した高鉄での往来は、2019年6月時点で1日平均54000人、週末には1日65000人超とされています。
1時間経済圏を目指す大湾区構想では、陸路イミグレーションの拡充と香港マカオ大橋の開通に伴い、自家用車の通行枠の増設が予定されていたようです。その矢先に、2020年2月7日から、往来がほぼシャットダウンとなるゼロコロナ政策に突入したのでした。大陸とマカオ間では検疫制限のみの入出国が比較的早期に可能となったものの、香港―マカオ間、香港―大陸間の往来封鎖は丸3年を迎えようとしていました。
1月8日より正式に通関再開後、1日の通関予約人数5万人、通関予約は不要だが切符の予約/購入が必要なフェリーや高鉄を合わせると、1月19日時点では1日6万人超が中国に入国しているとの報道があります。
通関の再開にともない、イミグレーションへのアクセス手段も徐々に増やしていくとしており、1月6日付香港特別行政区政府駐粤弁事処のニュースレターによると、香港では大陸との間で以下の手配があるとのことです。
(1)航空:香港と内地航空会社が順次増便し、需要に対応していく。
(2)船:香港・マカオの旅客埠頭から深圳蛇口航路、中国旅客埠頭から深圳福永(飛行場)航路、またその他の内地港への航路を順次回復。
(3)香港マカオ大橋の香港イミグレーション:シャトルバスの香港―珠海間往復を増便
(4)深圳湾イミグレーション:香港各地からの直通バス、直通マイクロバス、タクシーでアクセスできるほか、
太子・油麻地・尖沙咀・湾仔・銅鑼湾発のクロスボーダー路線バスで向かうことができる。
(5)文錦渡イミグレーション:上水と文錦渡の間のクロスボーダーバスを利用できる。
(6)落馬洲(皇崗)/福田イミグレーション:港鉄(MTR)東鉄線、直通バス・マイクロバス、タクシーで向かうことができる。
また、香港政府のニュースリリースによると「香港マカオ珠海大橋からの香港ドライバーの北上にクオータを設けない」計画を2023年に進めていき、条件に符合する香港の自家用車が、ドライバー、車両、滞在時間、保険などの届け出を経て広東省内での自家用車による短期滞在(商務、帰省、旅行等を含む)ができるようにするとのことです。
1月19日時点でまだ再開していないイミグレもあり、人数や検疫制限もありますが、早期に相互往来の活気が戻り、一層盛んになることが期待されます。
深センNAC名南コンサルティング 浜田かおり
(2023年1月作成)