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中国広東省現地法人の会社清算における簡易抹消手続き制度
中国現地法人の会社清算時、行政手続きは設立登記時に関わった行政部門に対し全て登記抹消手続きを行う必要があり、特に輸出入を行う製造業等は手続き全行程に1年前後の時間を要することも珍しくなく、投資者である本社側の経理や人事面でも一定期間のフォローが必要となっています。
商事登記改革でシステム化が進んだことも背景にあるかもしれませんが、企業の簡易抹消制度が地域差はあるようですが実施されてきているようです。広東省での手続き条件や流れ等について簡単にご紹介します。
根拠規定
企業簡易抹消に関する国の制度は2016年頃から整備開始されているようですが、最新根拠規定は次の通りです。
・市場監督管理総局等五部門による《企業抹消手引き(2021年修正)》の公告(市場監督管理総局 人力資源社会保障部 商務部 税関総署 税務総局公告2021年第48号)
・《中華人民共和国市場主体登記管理条例》(中華人民共和国国務院令 第746号)
・《中華人民共和国市場主体登記管理条例実施細則》(国家市場監督管理総局令第52号)
申請条件
深圳市・東がん市等の政府ホームページ等に掲載されている実務指南に基づき、簡易抹消登記を申請する企業に対し、下記のような申請条件があります。
- 債権債務或いは既に債権債務を完済した企業(上場した株式有限公司を除く)。
簡易抹消登記を申請する際、未払いの費用・従業員賃金・社会保険費用、法定の補償金、税金(滞納金・罰金)等の債権債務があってはならない。 - 国家の規定する参入特別管理措置(ネガティブリスト類)に該当する外商投資企業
- 株式(投資持分)が凍結・抵当・差し押さえられた等の状況
- 行政当局により立件調査されるか或いは強制執行・司法協力・行政処罰等が実施されている
- 分子機構が登記抹消未了の場合
- 簡易抹消手続きが取り消された場合
- 行政法規或いは国務院の規定により、抹消前に認可が必要な場合
- 企業簡易抹消登記を適用しないその他の状況がある場合
また東がん市の実務指南には以下の事項が記載されています。
市場監督管理部門の簡易抹消登記条件を満たす企業の税務処理状況が、
- 税務申告をしたことが無い
- 税務申告をしたことがあるが、発票を使用したことが無い(代理発行を含む)
- 未納の税(滞納金)及び罰金が無く、その他未処理の税務事項が無い
といった場合には、税務部門の抹消通知を取得する必要が無く、直接市場監督管理部門にて簡易抹消を申請することができる。
簡易抹消手続フロー
東がん市の実務指南には、以下の手順が示されています。
- 条件を満たす企業は登記抹消プラットフォーム(広東政務サービス“企業抹消オンラインサービス”サイト、広東省市場主体全程電子化登記管理システム)若しくは国家企業信用信息公示系統《簡易抹消公告》欄において、簡易抹消登記の申請及び、全体投資者による承諾等の情報を20日間公示する。
- 公示期間中、利害関係者及び関連政府部門は、国家企業信用信息公示系統《簡易抹消公告》欄の“異議提出”機能を通じ異議を提出し理由を陳述することができる。公示期間を超えた場合、公示システムは異議の提出を受け付けない。
- 税務部門は、市場監督管理部門が転送した簡易抹消登記申請情報に対し、企業の税務状況を照合し、以下の状況のいずれかを確認できる場合、異議を提出しない。
- 企業は税務事項を実施したことがない
- 企業は税務事項を実施したことがあるが、発票を発行したことがない(代理発行を含む)
- 未納の税(滞納金)及び罰金が無く、その他未処理の税務事項が無い
- 公示期間満了後、公示期間中に異議が提出されなかった場合、企業は公示期間満了から20日以内に登記機関にて簡易抹消登記を実施します。満了後に手続きが実施されない場合、登記機関は実際状況に基づき最大30日の延長期限を定めることができます。企業は公示後、抹消と関係のない生産経営活動を行ってはならないとされています。