中国 企業所得税

[全訳] 企業資産損失企業所得税税前控除管理弁法

国家税務総局
≪企業資産損失企業所得税税前控除管理弁法≫の発行に関する広告
国家税務総局公告2011年第25号

各省、自治区、直轄市、計画単列市国家税務局、地方税務局:
ここに、≪企業資産損失企業所得税税前控除管理弁法≫を発行の上、配布する。2011年1月1日より施行する。
特にここに公告する。
2011年3月31日

企業資産損失企業所得税税前控除管理弁法

第一章 総則

第一条 ≪中華人民共和国企業所得税法≫(以下、企業所得税法とする)及びその実施条例、≪中華人民共和国税収徴税管理法≫(以下、徴収管理法とする)及びその実施細則、≪財政部、国家税務総局、企業資産損失の税前控除政策に関する通知(財税[2009]57号)≫(以下、≪通知≫とする)の規定に基づき、本弁法を制定する。

第二条 本弁法にいう資産とは、企業が所有する、或いは支配する、経営管理活動に使用される関連の資産を指す。これには、現金、銀行預金、未収金や前払金項目(受取手形、各類の立替金、企業間の債務債権を含む)等の貨幣性資産、棚卸資産、固定資産、無形資産、建設仮勘定、生産性生物資産等の非貨幣性資産、及び債権性投資と持分(権益)性投資を含む。

第三条 税前控除できる資産損失とは、企業が上述の資産を実際に処分、譲渡する過程で発生した合理的な損失(以下、実際資産損失とする)、及び企業が上述の資産を実際に処分、譲渡していないが≪通知≫と本弁法で定められる条件を満たし計算・認識された損失(以下、法定資産損失とする)をいう。

第四条 企業の実際資産損失は、実際に発生し、会計上での損失処理が行われた年度にその控除を申告しなければならない。法定資産損失については、企業は当該資産が法定資産損失の認識条件を満たすことを証明する証拠資料を主管税務機関に提供し、会計上での損失処理が行われた年度にその控除を申告しなければならない。

第五条 企業で発生した資産損失は、定められた手順と要求に従い主管税務機関に申告しなければ、課税所得からの控除が認められない。申告を経ていない損失は、課税所得から控除してはならない。

第六条 企業の過年度に発生した資産損失を当年度の課税所得から控除できない場合、本弁法の規定に従い、税務機関に説明し、専項申告を行うことで控除することができる。うち、実際資産損失に該当する場合、当該損失の発生年度に遡って追加控除することができる。その追加認識期限は普通、5年を越えてはならない。但し、計画経済体制からの転換期間に残されてきた資産損失、上場のための企業再編過程に生じた権利紛争によって適時に控除できなかった資産損失、国家政策性任務の引受によって生じた資産損失及び政策の不明確によって生じた資産損失等の特殊原因による資産損失について、その追加認識期限は国家税務総局の批准を経た後、妥当な範囲で延長可能である。法定資産損失に該当する場合、申告年度に控除しなければならない。
 企業が過年度の実際資産損失を控除していないことで過大納付した企業所得税額は、追加認識年度の企業所得税納税額と相殺できる。相殺しきれない場合、以降年度に相殺する。
 企業の実際資産損失発生年度に追加認識する損失を控除した後は欠損となる場合、資産損失の発生年度の欠損額を調整してから、欠損補填の原則に従い以降年度の過大納付した企業所得税額を計算し、前項の方法によって税務処理を行う。

第二章 申告管理

第七条 企業が企業所得税年度確定申告を行う時、資産損失の申告資料と納税資料を企業所得税年度納税申告書に添付して税務機関に提出できる。

第八条 企業資産損失はその申告内容と要求の違いによってリスト申告と特定項目申告(以下、原文に従い専項申告とする)二つの申告方法に分けられる。うち、リスト申告に該当する資産損失について、企業は会計勘定科目によって分類・集計してから、集計リストを税務機関に提出し、会計処理に関する資料と納税資料を検査に備えるために保管する。専項申告に該当する資産損失について、企業は申請報告をその都度提出しなければならず、会計処理資料及びその他関連の納税資料を同時に提出しなければならない。
 資産損失の税前控除を申告する過程に企業は上述の要求に適合しない場合、税務機関は是正するように要求しなければならない。企業が是正を拒否する場合、税務機関は受理しない権限を有する。

第九条 下記の資産損失について、リスト申告の方法で税務機関に控除を申告しなければならない。
(一)企業の正常な経営管理活動における公正価値により販売、譲渡、売却した非貨幣資産の損失
(二)企業の各種棚卸資産に発生する正常な損耗
(三)企業の固定資産が耐用年数に達したか超過した際の、正常な廃棄処分を行う場合に発生する損失
(四)企業の生産性生物資産が耐用年数に達したか超過した際の、異常ではない死亡をした場合に発生する資産損失
(五)企業が市場公平取引原則に従って、各種の証券取引所や市場を通じて取引する債券や株式、先物、基金、及び金融派生商品等により発生する損失

第十条 上述した以外の資産損失は、専項申告の方法で税務機関に控除を申告しなければならない。企業は、リスト申告により控除する資産損失に該当するかどうかを確実に判断することが難しい場合には、専項申告の方法で控除を申告することができる。

第十一条 中国国内において地域を跨いで経営する総括納税企業で発生した資産損失について、以下の規定に従い控除を申告しなければならない。
(一)総機構及びその分支機構で発生した資産損失は、専項申告とリスト申告の関連規定に従いそれぞれ当地の主管税務機関へ申告するほか、各分支機構は総機構へ同時に報告しなければならない。
(二)総機構は各分支機構が報告した資産損失に対して、税務機関に別途で規定がある場合を除き、リスト申告の方法で当地の主管税務機関へ申告しなければならない。
(三)総機構が地域を跨ぐ分支機構の所属資産を一つの資産とし譲渡することによって発生した資産損失について、総機構は当地の主管税務機関にて専項申告を行わなければならない。

第十二条 国務院が定める事項に関係する企業の資産損失は、国家税務総局に関連の資料を提出しなければならない。国家税務総局は関連の状況を審査した後、損失状況を関連の税務機関に通知する。企業は本弁法の要求に従い専項申告を行わなければならない。

第十三条 専項申告に該当する資産損失は、企業が特殊な原因により定められた期限以内に関連の資料を提出できない場合、主管税務機関に申請し、主管税務機関の同意を得た後、妥当な範囲で申告を延期することができる。

第十四条 企業は健全な資産損失内部核銷管理制度を確立し、税務機関の検査に備えて、資産損失の税前控除証拠資料を適宜に収集、整理、編成、審査、申告、保管しなければならない。

第十五条 税務機関は項目別資料保存、級別管理の原則に従い、企業資産損失の税前控除管理台帳と納税記録を立て、適宜に評価を行わなければならない。資産損失の金額が大きい或は評価を経て資産損失の税前控除規定に合致しない、又は疑問点や異常状況が存在する資産損失に対して、適宜に確認検査を行わなければならない。控除を申告される資産損失が真実ではない、合法ではないことを証明する証拠がある場合、法に照らし租税処理を行わなければならない。

第三章 資産損失の確認証拠

第十六条 企業資産損失に関連する証拠には、法的効力のある外部証拠と特定事項に係る企業の内部書類を含む。

第十七条 法的効力を有する外部証拠とは、司法機関や行政機関、専門技術鑑定部門等が法に基づいて発行する企業の資産損失に関連する法的効力を有する書類を指す。主なものには、以下のようなものが含まれる。
(一)司法機関の判決や裁定書
(二)公安機関の案件決済書や回答書
(三)工商部門が発行する抹消や休業証明書
(四)企業の破産清算公告や弁済文書
(五)行政機関の公的文書
(六)専門技術部門の鑑定報告書
(七)法定の資格を有する仲介機構が発行する経済鑑定証明書
(八)仲裁機構が発行する仲裁文書
(九)保険会社が被保険資産に対して発行する事故調査書、賠償額計算書等の保険伝票
(十)法律の規定に合致するその他証憑

第十八条 特定事項に係る企業の内部書類とは、健全な会計処理制度を有し、有効な内部統制制度を実施している企業の、各資産の毀損や廃棄、棚卸差損、死亡、変質等に対する内部の証明書や責任負担の声明を指す。主には、以下のようなものである。
(一)会計処理に係る資料と原始証憑
(二)資産棚卸表
(三)関連する経済行為の取引契約書
(四)企業内部の技術鑑定部門が発行する鑑定文書や資料
(五)企業内部の決裁文書や状況に関する説明書類
(六)責任者に対する経営管理上の損失に対する責任認識とその賠償状況の説明書
(七)法定代表者、企業責任者と企業財務責任者が特定事項の真実性に対して法律責任を負うことの承認書

第四章 貨幣資産損失の認識

第十九条 企業の貨幣性資産損失には、現金紛失、銀行預金損失と未収金及び前払金損失等が含まれる。

第二十条 現金損失については下記の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)現金保管者が確認した現金棚卸表(基準日に遡る記録を含む)
(二)現金保管者が棚卸差損に対して行う説明と関連する社内審査文書
(三)責任者による損失責任認定と賠償状況の説明
(四)刑事犯罪に及ぶ場合、司法機関が発行する関連資料
(五)金融機構が発行する偽札の取上げ証明

第二十一条 金融機構の清算によって発生した企業の銀行預金類損失については下記の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)企業の預金類資産の原始証票
(二)金融機構の破産、清算に係る法的文書
(三)金融機構の清算後の剰余資産分配状況に係る資料
金融機構の清算が3年を超えても完了されていない場合、企業は当該資産を資産損失として認識できる。但し、裁判所或は破産清算管理者が発行する清算未完了証明が必要である。

第二十二条 企業の未収金及び前払金の貸倒損失については下記の関連証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)関連事項契約、協議或は説明
(二)債務者の破産、清算によるものに該当する場合、人民裁判所が発行する破産、清算公告
(三)訴訟案件によるものに該当する場合、人民裁判所の判決書、裁決書或は仲裁機構の仲裁書、又は裁判所に執行中止(停止)と裁定される法律文書が必要
(四)債務者の休業によるものに該当する場合、工商部門が発行する営業許可書の抹消、取消証明
(五)債務者の死亡、行方不明によるものに該当する場合、公安機関等の関連部門が発行する債務者の死亡や行方不明に関連する証明書
(六)債務再編によるものに該当する場合、債務再編協議及びその債務者の再編収益に係る納税状況説明
(七)自然災害、戦争等の不可抗力で回収できないものに該当する場合、債務者の災害遭遇状況に係る説明及び債権放棄表明

第二十三条 期限が3年を越えた企業の未収金は、会計上損失として処理した場合、貸倒損失とすることができる。但し、状況を説明し、特別報告を発行しなければならない。

第二十四条 期限が1年を越え、一口の金額が5万を越える或は企業の年度収入総額の一万分の一を超えない未収金は、会計上損失として処理した場合、貸倒損失とすることができる。但し、状況を説明し、特別報告を発行しなければならない。

第五章 非貨幣資産損失の認識

第二十五条 企業非貨幣性資産損失には、棚卸資産損失、固定資産損失、無形資産損失、建設仮勘定損失、生産性生物資産損失等が含まれる。

第二十六条 棚卸資産差損は、その棚卸損失金額から責任者が賠償する金額を控除した後の残高とする。以下の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)棚卸資産の課税基礎原価の確定依拠
(二)企業内部での責任認定、及び責任者の賠償状況説明と内部決裁書類
(三)棚卸資産の実地棚卸表
(四)棚卸資産損失に対する保管者の説明

第二十七条 棚卸資産の廃棄、毀損および品質低下による損失は、その課税基礎原価から残存価額や責任者の賠償金を控除した後の残高とする。以下の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)棚卸資産の課税基礎原価の確定依拠
(二)企業内部での棚卸資産廃棄、毀損、品質低下、残存価額に関する説明及び核消資料
(三)責任者の賠償に係る場合、賠償状況に係る説明
(四)当該損失金額が大きい(企業の同類資産の課税基礎原価の10%以上、又はその損失によって減算調整される当年度課税所得額、増加する欠損額が10%以上である場合。以下同様とする)場合、専門技術鑑定意見或は法定資格を有する仲介機構が発行する特別報告

第二十八条 棚卸資産の盗難損失は、その課税基礎原価から保険会社や責任者の賠償金を控除した後の残高とする。以下の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)棚卸資産の課税基礎原価の確定依拠
(二)公安機関へ提出する届出記録
(三)責任者や保険会社の賠償に係る場合、賠償状況に係る説明等

第二十九条 固定資産の棚卸差損、紛失損失は、その帳簿価額から責任者より徴収する賠償金を控除した後の残高とする。以下の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)企業内部での責任認定及び核消資料
(二)固定資産の実地棚卸表
(三)固定資産の課税基礎に関連する資料
(四)固定資産の棚卸差損、紛失の状況説明
(五)損失金額が大きい場合、専門技術鑑定報告或は法定資格を有する仲介機構が発行する特別報告等

第三十条 固定資産の廃棄や毀損損失は、その帳簿価額から残存価額、責任者からの賠償を控除した後の残高とする。以下の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)固定資産の課税基礎に関連する資料
(二)企業内部での関連責任認定及び核消資料
(三)企業内部の関連部門が発行する鑑定資料
(四)責任者の賠償に係る場合、賠償状況に係る説明
(五)損失金額が大きい又は自然災害等の不可抗力による固定資産の毀損、廃棄に関しては、専門技術鑑定意見或は法定資格を有する仲介機構が発行する特別報告等

第三十一条 固定資産の盗難損失は、その帳簿価額から責任者の賠償金額を控除した後の残高とする。以下の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)固定資産の課税基礎に関連する資料
(二)公安機関へ提出する届出記録、公安機関での事件処理に関連する証明材料
(三)責任社の賠償に係る場合、賠償責任認定及び賠償状況に係る説明等

第三十二条 建設工事の停止、廃棄損失は、その建設工事の投資帳簿価額から残存価額を控除した後の残高とする。以下の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)建設工事の投資帳簿価額の確定依拠
(二)工事停止原因に係る説明及び関連資料
(三)品質の原因により中止や廃棄とする建設工事項目と自然災害や事故により中止や廃棄とする建設工事項目に関して、専門技術鑑定意見と責任認定、賠償状況に係る説明を提出する

第三十三条 工事物資に発生する損失は、本弁法の棚卸資産損失に準じて認識を行う。

第三十四条 生産性生物資産の棚卸差損は、その帳簿価額から責任者の賠償金額を控除した後の残高とする。以下の証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)生産性生物資産の棚卸表
(二)生産性生物資産の棚卸差損状況に係る説明
(三)生産性生物資産損失の金額が大きい場合、企業は専門技術鑑定意見と責任認定、賠償状況に関する説明等を提出する。

第三十五条 森林の害虫や疫病発生、及び死亡による生産性生物資産損失は、その帳簿価額から残存価額、保険会社や責任者の賠償金額を控除した後の残高とする。以下の関連証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)損失状況に係る説明
(二)責任認定及びその賠償状況に係る説明
(三)損失金額が大きい場合、専門技術鑑定意見を提出する。

第三十六条 伐採による盗難、盗難や紛失によって生じる生産性生物資産損失は、その帳簿価額から保険会社や責任者の賠償金額を控除した後の残高とする。以下の関連証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)生産性生物資産が盗難に遭った後の、公安機関へ提出する届出記録、公安機関での事件処理に関連する証明材料
(二)責任認定と賠償状況に係る説明

第三十七条 企業が期限を過ぎても抵当に入れられた資産を請け出さないため、当該資産
が競売や売却された場合は、その帳簿価額から売却価格を控除した後の金額を、以下の証拠資料を以て資産損失として認識できる。
(一)抵当契約或は協議書
(二)競売或は売却証明、リスト
(三)会計処理資料等のその他関連証拠資料

第三十八条 他の新技術に取って代られる或は法律保護期限を越え、使用価値や譲渡価値を失い、償却していない無形資産損失について、以下の証拠を以て届出を行わなければならない。
(一)会計処理資料
(二)企業内部決済書類及び関連状況説明
(三)技術鑑定意見と企業法定代表人、主要責任者と財務責任者の署名で無形資産が既に使用価値や譲渡価値を有していないことを証明する書面証明
(四)無形資産の法律保護期限書類

第六章 投資損失の認識

第三十九条 企業投資損失には、債権投資損失と持分(権益)投資損失が含まれる。

第四十条 企業の債権投資損失は投資の原始証票、契約或は協議、会計処理資料等の関連証拠資料を以て認識しなければならない。以下の状況に該当する債権投資損失について、関連の証拠資料を更に提出しなければならない。
(一)債務者や保証人が、法に依って破産、閉鎖を宣告され、解散や取消をされ、営業許可書を取上げられ、行方不明或は死亡等になる場合、資産弁済証明或は遺産弁済証明を提出しなければならない。資産弁済証明或は遺産弁済証明を提出できない且つ上述事項が3年以上経過している場合、又は債権投資(クレジットカード貸越と学生援助貸付金を含む)の残高が300万元以下である場合、対応する債務者と保証者の破産や閉鎖、解散証明、取消に関する文書、工商管理部門が発行する抹消証明書或は査問証明及び取立記録等(司法取立、電話取立、手紙取立と門前取立等の原始記録を含む)を提出しなければならない。(二)債務者が重大な自然災害や突然の事故に遭う場合、企業はその資産に対しての弁済と保証人に対しての債務履行を迫った後の回収することができない債権に関して、債務者が重大な自然災害や突然の事故に遭ったことの証明、保険会社の保証証明書、資産弁済に係る証明書等を提出しなければならない。
(三)債務者は法律責任の負担により、その資産でその債務を返還するに足りない、且つ他に債務負担者がいない場合、裁判所による裁定証明と資産弁済証明を提出しなければならない。
(四)債務者や保証人が期限の到来した債務を返済することができないため、企業が訴訟或は仲裁を提起し、人民裁判所が債務者や保証人に対して強制執行したが、債務者や保証人にも執行可能の資産がなく、人民裁判所が執行の終止(停止)を裁定した場合、人民裁判所の裁定文書を提出しなければならない。
(五)債務者や保証人が期限の到来した債務を返済することができないため、企業が訴訟を提起した後に請求を却下された、人民裁判所に受理されない又は認められない、債務者の責任(或は、責任の一部)を免除する裁決が仲裁機構に下されたが、取立てても回収できない債権について、裁判所による請求却下証明、或は裁判所による不受理や非認証に係る証明、或は仲裁機構の裁決により債務者の責任が免除されることに係る文書を提出しなければならない。
(六)国務院が認めた特別支出債権に関しては、国務院の批准文書と国務院の同意後に国務院関連部門が承認した文書を提出しなければならない。

第四十一条 企業の持分投資損失は、以下の関連証拠資料を以て認識しなければならない。
(一)持分投資の課税基礎に係る証明資料
(二)投資先企業の破産公告、破産弁済に係る文書
(三)工商行政管理部門が投資先企業の営業許可書を抹消、取消することに係る文書
(四)政府関連部門の投資先企業に対する行政処理決定文書
(五)投資先企業の経営終了、取引停止に係る法律やその他証明文書
(六)投資先企業の資産処分案、取引成立及び記帳資料
(七)企業法定代表人、主要責任者と財務責任者の捺印で関連の投資(権益)性損失を証明する書面説明
(八)会計処理資料等のその他関連証拠資料

第四十二条 投資先企業が法に依った破産、閉鎖、解散を宣告された又は営業許可書を抹消、取消された、生産経営活動を停止した、行方不明等になった場合、資産弁済証明或は遺産弁済証明を提出しなければならない。
 上述の事項が3年以上経過し、且つ清算が完了していない場合、投資先企業の破産、閉鎖、解散或は抹消、取消等の証明及び清算できない原因に係る説明を提出しなければならない。

第四十三条 企業が金融機構へ委託して行うその他企業への貸し付け或は他の経営機構へ委託して行う資金運用において、期限になり回収できない貸付或は資金運用に充てられる委託損失について、本弁法第六章の関連規定参照して処理を進める。

第四十四条 企業が本企業の生産経営活動に関連する保証を外部に提供した後、保証先が期限通りに債務を返済できないため連帯返済責任を引き受けることになる場合、催促を経ても保証先に返済能力がなく、返済を受けることができない際は、本弁法の未収金に係る損失に準じて処理を行う。
本企業の生産経営活動に関連する保証とは、企業が外部に提供する、本企業の課税収入や投資、融資、材料購買や製品販売等の生産経営活動に関連する保証を指す。

第四十五条 企業が独立取引原則により関連企業に資産を譲渡することにより発生した損失、又は関連企業に借入、保証を提供したことにより発生した債権損失の控除を認める。但し、企業は特別説明を行わなければならず、仲介機構が発行する特別報告及びその関連証明資料を提出しなければならない。

第四十六条 以下に示す持分と債権は損失として税前控除できない。
(一)債務者や保証人が経済的な返済能力を有するものの、期限通りに返済されない企業の債権
(二)法律や法規規定に違反して、返済を逃れる、又は返済を留保しようとする各種企業の債権
(三)行政の関与によって返済を逃れる、又は返済を留保しようとする企業の債権
(四)企業が、債務者や保証人に対して取立を行わない債権
(五)企業で発生する経営活動以外の債権
(六)その他支出が認可されない企業債権や持分

第七章 その他資産損失の認識

第四十七条 企業が異なる種別の資産をひとまとめにし、競売、見積もり依頼、競争性交渉、入札等の市場方式で売却する時、その売却価格が課税基礎原価より少なければ、その差額を資産損失とし、税前申告控除できる。但し、資産処分案、各種資産の価格算定依拠、売却過程の状況説明、売却契約或は協議、取引成立及び記帳証明、資産課税基礎等の確定依拠を提出しなければならない。

第四十八条 企業の経営が正常であるものの、不健全な内部統制制度により不適当な、規範的ではない処理が発生した又は目新しい業務のためポリシーが不明確等の原因で発生した資産損失について、企業が負担すべき部分を資産損失として税前申告控除することができる。但し、損失証明材料或は業務監督管理部門の判定証明、損失に係る特別説明を提出しなければならない。

第四十九条 刑事案件の原因により発生した企業の損失について、企業が負担すべき部分或は公安機関が案件登記後2年以上捜査しても取り戻していない部分を資産損失として税前申告控除できる。但し、公安機関、人民検察院の案件登記・捜査状況或は人民裁判所の判決書等の損失原因に係る証明資料を提出しなければならない。

第八章 付則

第五十条 本弁法に規定の無い資産損失事項について、企業所得税法及びその実施条例等の法律、法規の規定に合致さえすれば、税務機関にその控除を申告することができる。

第五十一条 省、自治区、直轄市と計画単列市の国家税務局、地方税務局は本弁法に基づき具体的な実施弁法を制定することができる。

第五十二条 本弁法は2011年1月1日より施行する。≪国家税務総局による「企業資産損失税前控除管理弁法」の送付≫(国税発[2009]88号)、≪国家税務総局による企業の過年度未控除資産損失の企業所得税処理問題に関する通知≫(国税函[2009]772号)、≪国家税務総局による電信企業の貸倒損失の税前控除問題に関する通知≫(国税函[2010]196号)は同時に廃止される。本弁法の発効日前に税務処理を完了していない損失事項についても、本弁法に従い執行する。