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[中国労務] 『労災保険待遇の調整・確定のメカニズムに関する指導意見』の公布

国家人力資源・社会保障部は、『労災保険待遇の調整・確定のメカニズムに関する人力資源・社会保障部の指導意見』(原文、以下『指導意見』と呼称)を2017年7月28日付で公布した。

1. 経緯と概要

『労災保険条例』(原文、以下『条例』と呼称、2003年4月27日公布・2004年1月1日施行、2010年12月20日改定)に基づき、企業は各従業員を労災保険に加入させ、労災保険料を納付する必要がある。従業員個人が納付する必要はない(『条例』10条)。従業員が業務遂行中に傷病により治療する必要が生じた際、また死亡した際に、労災保険適用内と認定された場合、労災保険基金及び企業が補償を提供する。『条例』では具体的に13の労災待遇項目が規定されている。
今回『指導意見』の公布により①障害手当②被扶養家族補助金③介護費用④入院中の食事手当の4項目について重点的に、調整方法が規範化された。今後原則として2年に1回またはそれ以上の頻度で調整される。

2. 重点調整項目

以下の表に各労災待遇項目、及び『条例』と『指導意見』それぞれの規定内容をまとめた。

番号 労災待遇項目
(日本語)
労災待遇項目
(中国語)
『労災保険条例』 『指導意見』
1 障害補助一時金 一次性伤残补助金 計算・支給基準を規定 【第35条他】 強調し、重ねて言及
2 死亡補助一時金 一次性工亡补助金
3 葬儀補助金 丧葬补助金
4 労災医療費 工伤医疗费 社会保険機構が『条例』及び協議・関連リスト・基準に基づき実費支給する 【第48条】
5 介護器具費 辅助器具费
6 リハビリ費用 康复费
7 外地診察に伴う交通・食事・宿泊費 外地就医交通费、食宿费
8 障害就業補助一時金 一次性伤残就业补助金 具体的な基準は省、自治区、直轄市の人民政府に授権する【第36条(二)】 省・自治区・直轄市が労災従業員の身体障害の程度、傷病の類別、年齢等の要素を総合的に考慮した上で基準を定める。労災従業員が安定的に就業するように導き、促すことに重点を置く。
9 医療補助一時金 一次性工伤医疗补助金
10 障害手当 伤残津贴 地区統括社会保険行政部門が、従業員平均給与及び生活費用の変化等の状況に基づき、調整を行う。調整方法は省、自治区、直轄市の人民政府に授権する【第40条】 一~四級の障害手当について前年度の省、自治区、直轄市の一~四級の被災従業員1人当たりの月平均障害手当を基数として、従業員平均給与の増加及び消費者物価指数の変化状況を総合的に考慮し、先ず従業員平均給与の増加を重点とし、同時に労災保険基金の支払能力及び関連する社会保障待遇の調整状況に基づき、総合的に調整する。
11 被扶養者家族補助金 供养亲属抚恤金 前年度の省、自治区、直轄市の遺族1人当たりの月平均被扶養者家族補助金を基数とし、従業員平均給与の増加及び消費者物価指数の変化状況を総合的に考慮し、先ず従業員平均給与の増加を重点とし、同時に労災保険基金の支払能力及び関連する社会保障待遇の調整状況に基づき、総合的に調整する。定額調整の方法を採用する。
12 介護費用 生活护理费 『条例』及び『労働能力鑑定における従業員の労災・職業病に係る身体障害等級』の関連規定に基づき計算し支払う。前年度の省、自治区、直轄市の従業員平均給与の増加率により調整する。但し、従業員平均給与が減少する場合には調整しない。
13 入院時食事手当 住院伙食补助费 具体的な基準は地区を統括する人民政府が規定する【第30条】 省、自治区、直轄市は当地城鎮(都市と町)住民消費支出構造を参考に、入院時食事手当の基準を科学的に確定することができる。原則的に、入院時食事手当は前年度の城鎮(都市と町)住民1人当たり一日平均消費支出額の40%を超えないものとする。