中国 中国法令ニュースまとめ
[まとめ] 中国各地区の最低賃金について
欧州通貨危機の影響を受け、また国内の不動産市場の低迷や経済成長の鈍化など、昨今の中国経済はこれまでの高成長路線からターニングポイントに立たされています。不動産バブル崩壊危機やインフレ圧力と対峙するなか、現在、労働者の最低賃金についての現状は以下の様になっています。
広東省では当初、2012年1月1日より最低賃金額を改定する計画でしたが、輸出型産業の多い華南地域は欧州通貨危機による欧州経済低迷の影響を大きく受けた結果、また大陸に投資する多くの香港企業からの人件費高騰に対する不満から、改定延期要望の圧力が高くなり、広東省人力資源・社会保障局は改定時期を「適度に延期」せざるを得なくなりました。ただ、独自に最低賃金額を設定している深圳市は、2012年2月1日より改定することを決定しおり、13.6%アップで国内最高額の1500元となります。
華東地域は、まだ今年の改定を実施しているところはありませんが、上海市は今年4月に改定することを既に表明しています。(但し金額には言及していません。)今後の上海市の状況により周辺の江蘇省、浙江省の各都市の動向も明らかになると思われます。
華北地域では、北京市が2012年1月1日より改定しました。但し増加率は8.6%とやや低く、本来の方針では2011年~2015年の間に年平均13%引き上げを行い、2015年には1900元とする計画であったため、やや下方に修正されています。天津市は春頃の改定が想定されますが、北京市の改定前額と天津市の現在額が同じであることから、北京市と同程度の改定が行われるとの見方が高まっています。
華中地域では武漢市が2011年12月に改定を行い、市中心区で22.2%アップとなりました。華中地域は沿岸地域と比べ内需中心で欧州経済危機等の影響が少なかったことや、内陸部開発による今後の経済発展が期待されていると考えられます。